近年ハワイで流行っている“ガストロパブ”の先駆け的存在

 こういった流れの源は、近年ハワイで流行っている“ガストロパブ”といわれる、要はしっかり食べられて飲める、といったバーとレストランを兼ね備えた店が続々とオープンしたことがきっかけでありまして、その先駆け的存在で、“ガストロパブ”の本場でもある伝統的なイギリスのパブ色の強い「PINT+JIGGER」あたりを覗いてみると、一番わかりやすく状況が把握できるかと思われます。

“ガストロパブ”の先駆的存在の「PINT+JIGGER」

 しかしこの店、オープンしてだいぶ経っているので、すぐに入れるかと思いきや、まだまだすごい熱気。慣れていないとその盛り上がり状況に圧倒されて、入るのだけでも勇気がいるかもしれませんが……。

名物のスコッチエッグ(左)やガーリックバターポップコーン。

 名物「スコッチエッグ」をつまみに、70種類にも及ぶビールやカクテルをロコ達に混ざってワイワイやるのが、こういったお店の醍醐味であります。

PINT + JIGGER(パイントアンドジガー)
所在地 1936 South King St,H I96826
電話番号 808-744-9593
営業時間 16:30~0:00(月~水曜)/16:30~翌2:00(木)/8:00~翌2:00(金、土曜)/8:00~0:00(日曜)
URL http://www.pintandjigger.com/

 そして今回どうしてもご紹介したいのは、僕が最も愛する“ガストロパブ”の究極とでも言いましょうか、ハワイに滞在中はほぼ毎晩ココで一日を終えるというほど通い詰めている「Chez Kenzo Bar & Grill」!! サウス・キングとケアモクストリートの交差点のすぐそばではあるのですが、ちょっぴり入り組んだ銀行裏のビル1階にひっそりとあります。

「Chez Kenzo Bar & Grill」の店内。スタンドチェアフロアとテーブルフロアに分かれる。

 と言っても一歩中に入ればワイワイガヤガヤ。スポーツバー感覚でカジュアルな雰囲気のスタンドチェアのフロアと、キャンドル灯るロマンティックなテーブルフロアの2フロア構成になっている店内は、連日連夜ロコボーイ&ガールでいつも大賑わい。

 日本人の若者から比べれば全くと言っていいほどお金を使わないハワイの若者達がここまでやってくる理由は、100種類を超えるメニューとこのリーズナブルプライス……いや~納得であります。

左:僕が最も愛する“ガストロパブ”が「Chez Kenzo Bar & Grill」。
右:僕がハワイでもっとも信頼している大先輩の日本人オーナーの川崎憲太郎氏、通称“ケンさん”。

 そしてこちらのロマンスグレーのおじさま(笑)が、僕がハワイでもっとも信頼している大先輩の日本人オーナーの川崎憲太郎氏、通称“Ken San(ケンさん)”であります。長年ヒューストンで和食文化を広め、実績を挙げた後に鳴り物入りでハワイに移住し、アラモアナS.Cの「六角(現・六角浜かつ)」の立ち上げをはじめ、今や伝説にもなっているワイキキの「ジーニアスラウンジ 酒バー&グリル」をプロデュースして一躍「時の人」となった、ハワイでは知らない人がいないほど有名な日本人のひとりです。

 ケンさんと出会ってからというもの、僕のハワイライフは、急激に単なる「旅行者」気分から一挙に「居住者」気分に変化したといっても過言ではないほど、様々な意味で影響を受けた人であります。

2016.01.29(金)
文・撮影=小川カズ