食べたいものを、食べたい時間に、食べたい場所で

ちょっとしたホテル1室分の広さはあるバスルーム。バスタブ脇のベッドは何のために?

 各戸に専属バトラーが付くのは、ラグジュアリー・リゾートでは珍しくないのですが、ノースアイランドのバトラーさんはまるで型にはまっていません。心で動く、サービスなのです。

 たとえば、一緒に島内のブティックへ行った時、貝殻のアンクレットを手に取って見ていたら、「気に入った? チェックアウトまでに作ってあげる!」と、ニッコリ。ゲストの喜んだ顔がみたい、という気持ちが伝わってくるのです。

食事の場所は好きな場所で。アイランド・ピアッツァやヴィラ内、オンザビーチでもOK。

 三度の食事は、“No Menu”がコンセプト。バトラーさんと話しながら、食べたいものを、食べたい時間に、食べたい場所でいただきます。

 アクティビティやアレンジも、すべてパーソナライズ。ダイビングは1組のためにボートを出しますし、夕日を望む丘でのキャンプファイヤーも貸し切りで。

一番人気のゾウガメ、193キロのブルータス君。マイペースに歩いているせいか、二度もバギーに激突される災難に。

 軽い気持ちで「島の自然について知りたい」と伝えたら、ヴィラ内に巨大プロジェクターを運び入れ、大型クッションとシャンパン&カナッペをセッティング。ナチュラリストによるレクチャーを、グラス片手に受けることになるとは……。

木漏れ日が揺れるメインプールから望む、イーストビーチ。季節によって、砂が移動し、ビーチの形が変わるそうです。

 各ヴィラにはバギーと自転車が用意されているので、気ままに島内を回ることもできます。

 白磁のように真っ白な砂浜がのびたハネムーンビーチや、サンセットに訪れたいウエストビーチなど、島内には4つのビーチがあり、ヤシ林の間の小道を抜けて探検気分で訪れるのも楽しみ。セイシェルメジロやハコヨコクビガメなど、島に戻ってきた希少な動物たちと会えるかもしれません。

 ノース島は、ツーリストにとっても、動物にとっても、ハッピーな21世紀の方舟なのです。

ノース島
●アクセス マヘ島からヘリコプターで約15分
●おすすめステイ先 ノースアイランド
URL http://www.north-island.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2016.02.20(土)
文・撮影=古関千恵子