赤道も間近なインド洋に115もの島を広げるセイシェル。「エデンの園」とも呼ばれる島々は今も秘境の趣深く、神秘的だ。一生に一度の旅にふさわしいラスト・パラダイスを求めて未知の海洋へ飛び立ってみたい。
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セイシェルは4つの諸島群により成り立つ
4つの諸島群により成り立つセイシェル。中心は下図のセイシェル諸島。マヘ島から各島へのアクセスはフェリー、リゾート運航のボート、セイシェル航空の定期便、チャーター便など。
国名=セイシェル共和国
通貨=セイシェル・ルピー(SCR)
SCR1=約8.3円
時差=-5時間
国番号=248
※データは2014年8月現在のものです。
奇跡の自然と触れ合うエコ・ラグジュアリーな楽園
物語は幻の大陸「ゴンドワナ」から始まる。創世期、ゴンドワナ大陸は地殻変動により分裂し、各大陸を生み出すことに。そして、そのメガ大陸の最高峰の名残りがセイシェルだという。
そんな異次元の仮説もリアルに感じられるほど、セイシェルは特別な地だ。インド洋に隔絶された群島には、ほかでは見ることのできない自然が息づく。ダイナミックな花崗岩の群れは海にそそり立ち、原生林に踏み込めば太古の息吹が降り注ぐ。動植物の生態系は驚くほど豊かで、ミステリアスな固有種も多彩。ここは「ノアの方舟」にもたとえられる、地球の聖域なのだ。
アフリカ大陸へと続く広大な海域にちりばめられた島々は、それぞれに個性をもつ。中心となるのはマヘ島。霧と虹のかかる緑鮮やかな山すそを、澄み渡る紺碧の海岸線が取り囲む。ラ・ディーグ島を縁取る花崗岩のビーチは、世界屈指の美しさ。世界自然遺産に登録されたプララン島の森は謎めいて、バード島は野鳥の天国として知られる。
2014.09.24(水)
文=上保雅美
撮影=飯田裕子