ウォリックシャーの中世の城は一大テーマパーク

大きなマントルピースのある荘重なロビーは、お屋敷の広間の雰囲気。

 ストラットフォード・アポン・エイヴォンでは、荘重な建物の「ホールマーク・ホテル・ザ・ウェルコーム」に1泊して、ウォリック城を見に行くことにする。

 「ホールマーク・ホテル・ザ・ウェルコーム」は、1866年に建ったジャコビアン様式の建物を改修しており、踊り場や廊下には大きな肖像画がかかり、貴族のお屋敷のよう。

左:庭に面した天蓋付きベッドのある客室。これまた英国貴族の寝室のよう。
右:この部屋のバスタブはこんな猫足タイプ。バスフォームを入れて寛げる。

 モダンなお部屋から天蓋付きベッドのある古色蒼然(に見えるがちゃんとテレビもフリーWi-Fiもある)とした部屋まで78室。別棟に広い室内プールを備えたスパや18ホールのゴルフ場もある。

Hallmark Hotel The Welcombe(ホールマーク・ホテル・ザ・ウェルコーム)
所在地 Warwick Rd, Stratford-upon-Avon, Warwickshire CV37 0NR
電話番号 01789-295252
URL http://www.hallmarkhotels.co.uk/hotels/welcombe

イングランドのマントを纏った騎士がお出迎え。

 ウォリック城は、ストラットフォード・アポン・エイヴォンからは車で15分ほど。エイヴォン川を望んで立つ城は、元は1068年にウィリアム征服王が建てた由緒ある城だ。

 ウォリックは、ラグビーワールドカップの日本代表がキャンプをした地で、歓迎イベントでは五郎丸選手がウォリック城に向かってボールをキックしたのだとか。私は、中世の孤高の古城だと思っていたが、行ってみるとそんな想像を超えたお城だった。

入場券を買う場所の周りのあちこちに、中世の格好をした人が。

 入場券を買うところには、本格的な格好をした騎士達が並び、とても賑やか。アトラクションの案内もどことなくただの城ではなさそう。

由緒ある城の勇姿はそのままに、中はテーマパークのような人気のアトラクション。
子供向けの西洋中世式チャンバラトレーニングは5ポンド。

 ウォリック城は、11世紀にウィリアム征服王からウォリック伯の手にわたり、かつてはエドワード4世の監禁にも使われたという由緒のある城で、指定遺跡として英国政府から保護を受けているが、同時に1978年にタッソー・グループが買収し、一大観光アトラクションとなっている。

17世紀の初めぐらいまでは、まだ軍事用だっただけに物々しい城の入り口。
壁には石を落とす穴が開いている。

 改築を重ねながらも、塔、城壁、地下牢や大広間などは現在にその姿をとどめている。さすが蝋人形で有名なタッソー・グループの運営だけあって、当時の城の様子の再現はリアル過ぎて恐いぐらい。また14世紀には百年戦争の一環であるポワティエの戦いで捕虜を収監していたので、バトル・アトラクションの想定相手は未だフランスというのも笑える。

2016.01.19(火)
文・撮影=小野アムスデン道子