謎の絵師、久隅守景による誰にも似ていない人物表現

国宝「納涼図屏風」久隅守景筆 二曲一隻 江戸時代 17世紀 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives

 史料に乏しく生涯の足取りが摑みづらいゆえ、謎多き画家として歴史に埋もれがちなのが久隅守景。とんでもない実力者であったのは間違いなく、若くして江戸の御用絵師集団・狩野派で将来を嘱望された記録が残る。

 代表作《納涼図屛風》は、のどかに夕涼みする家族の姿を描き、他の誰にも似ていない人物表現を達成。同作をはじめ全国から集められた作品から、謎の絵師が目指した境地を読み解いてみては。

『逆境の絵師 久隅守景親しきものへのまなざし』
会場 サントリー美術館 (東京・六本木)
会期 2015年10月10日(土)~11月29日(日)
料金 一般1,300円(税込)ほか
電話番号 03-3479-8600
URL http://suntory.jp/SMA/

2015.11.14(土)
文=山内宏泰

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