持ち家は、ローンの利息をしっかり考えて

 次に購入の場合を考えます。「持ち家だと資産が残る」という理由から働く女性でマンションを購入する人も増えてきました。

 例えば、月8万円の家賃を10年間払い続けると1000万円かかります。だったら1000万円のマンションを買ったほうが得ではないかと考えるのです。

 たしかに現金で1000万円を出せる人にとっては購入も検討の余地があります。しかし、多くの人は住宅ローンを組むことになります。その場合の利息の額もしっかりと考える必要があるのです。

 例えば、1000万円の住宅ローンを金利2%で15年借りると、毎月のローン返済は約6万5000円になります。さらに管理費、修繕積立金、税金もかかるために毎月の住居費のコストは賃貸の時と同程度になるでしょう。また、この条件で支払わなければならない利息の総額は約160万円になります。更にマンションを購入するには物件の1割程度の初期費用が別途かかります。合計すると物件1000万円+住宅ローンの利息160万円+初期費用100万円+ランニングコスト、ということになります。

 同じマンションに一生住めればよいですが、結婚や職場環境の変化などで理想的な住まいが変わることもあります。物件を所有する場合にはこうしたリスクも考える必要があります。

 賃貸にする場合も、購入にする場合も、トータルでいくらかかるかといったコスト意識をしっかりと持つことが大切です。収入や資産が増えたら住まいのグレードアップをしていくというのもよいご褒美になるのではないかと思います。

Column

花輪陽子の「大人のマネー塾」

大人の女性なら知っておきたいマネーの知識を、普通のOLからファイナンシャル・プランナー(FP)になった、花輪さんが教えます!

2011.11.18(金)
text:Yoko Hanawa