女性なら、自分の生活空間である住居にはこだわりを持ちたいもの。誰しもがおしゃれな土地の素敵なマンションに住みたいだろうと思います。

 しかし、家計診断をしているとお金が貯まる人は住居費を節約しているということに気がつかされます。反対に破綻する人の多くが収入に見合わない住居を手に入れてしまうのです。

 なぜ住居費をコントロールすることが大切かと言うと、住居費は私たちにとって一番大きな固定費となるからです。例えば、同じ月収25万円の人でも家賃が8万円と10万円とでは月2万円もその他の支出や貯金にまわせるお金が変わってきます。

 安田財閥の創始者である安田善次郎さんも「住居のためには身代の10分の1以上のカネは決して使わない」という言葉を残しているほどです。さすがに収入の1/10で都心に住むのはきびしいです。しかし、十分な資産や収入になるまでは住居費にお金を使い過ぎないという大切なメッセージを受け止める必要があります。

 そこで、住居費はどんなに多くても手取りの1/3程度に留めることが現実的です。月収25万円の人なら月の家賃は8万円程度が望ましいのです。地方に住んでいて家賃は安いという人も駐車場代なども含めて手取りの1/3以内をめざしましょう。

 住居費の節約のためには、借りる場合も購入する場合も値段が大切な要素になってきます。賃貸の場合はできる限りコストパフォーマンスのよい物件を探すことが基本です。会社の社宅や公営の物も含めて複数の物件を比較検討してみましょう。

 また、借りる家が無駄に広くなりすぎないように物を極力減らすことがポイントです。例えば、30平米の部屋(クローゼットが5平米)で家賃が10万円だとすると、物を保管するコストとして毎月約1万7000円もかかっているということになります。

 節約のために家族や友人とルームシェアをする人もいます。ルームシェアができる物件も少しずつではありますが増えてきています。また、知り合いの家の空室を格安で借りるという手段もあります。すべてがコストとなる賃貸の場合は特にコスト意識を持つ必要があるのです。

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2011.11.18(金)
text:Yoko Hanawa