なぜかたまっているのか不思議! お好み焼きはほぼ野菜

 お好み焼きをご紹介する前に語りたいのは(すっかり写真を撮り忘れたが)ドリンクのおいしさだ。お好み焼きといえばビール。でも、ここはビールがちょっとしか飲めない私がドリンクメニューに胸ときめかせることができる稀有なお好み焼き屋さんなのだ。

 イチオシは抹茶。ご丁寧に抹茶茶碗でお茶を点てて、それを冷やして出してくれる。これはとっても贅沢なので〆のドリンクにすることにしている。食中ドリンクはフルーツソーダで、ゆず、マンゴー、ブルーベリーの3種。お気に入りはゆずで、さっぱりとして食事に合うのだ。これもたっぷりと飲みごたえがあり、ゆずシロップも品がいい。

 さて、そんなわけでお好み焼きを! 今回食べたのは定番の豚玉。

主役のお好み焼き(豚玉)。モダン焼きなどもある。

 キミエさんのお好み焼きは壮絶である。一応お好み焼きのタネを器に入れてから鉄板に挑むのだが、山盛りすぎてあんまり意味がない。混ぜながら鉄板に落とすも、ほとんどこぼれている。これは何度見ても笑ってしまうのだが、キミエさんは真面目顔で「こぼさないようにしているんですけどね~」と言う。年上の方だが、かわいい……。

 そして、最初はほとんど野菜を炒めているとしか思えない生地の少なさ。本当にお好み焼きになるのか!? と思って見ていると、ちゃ~んと形を成していく。しかも、流行りの厚焼きホットケーキばりに分厚く、立体的に焼き上がるからすごい。ソースをたっぷりかけたら、お好み焼きでお願いしたいことナンバーワンの「マヨネーズかけていいですか確認」もあり(今回は私が拒否して半分だけ)、青のり、かつおぶしがかかって完成。とん平焼きにもかかっているこの青のりがまたおいしいのよね……。

 きちんとお好み焼き型にでき上がっているが、やはり中身は野菜がたっぷり。キャベツもねぎもいきいきとしている。しんなりしたキャベツとソースの相性のよさって、なにげに最強。粉が少ないので、本当に軽く食べられる。

焼きうどんでも野菜をたっぷり食べられる。ソースがしみた麺はおつまみになる味。

 今回の〆は焼きうどん。焼きそばもおいしいのだが、品切れ。さぬきうどんで作る焼きうどんはやっぱり野菜がたっぷりで、べっちょりしておらず、これもまたすっきり食べられる味だ。いやはや、今宵も満足! おいしい抹茶ドリンクを飲み干してごちそうさま。

 店主キミエさんの人柄+鉄板技術は、電車を乗り換えてでも大井町に行く価値あり。駅前には「おふろの王様」もあるし、イトーヨーカドーは楽しいし、いま、大井町に夢中である。

お好み焼き 瀧
所在地 東京都品川区大井1-34-3
電話番号 非公開
[2015年9月来訪]

北條芽以(ほうじょう めい)
神奈川県鎌倉市生まれ。情報誌編集者を経てフリーライター、料理本の編纂を行う。好きなのは炭水化物(特にごはん)とお肉の組み合わせ。お酒はあまり飲めない。「左手にごはん茶碗を!」

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2015.10.08(木)
文・撮影=北條芽以