ラッキーが続いた世界一周のフィナーレ!
短いながらも深い眠りの後は、朝食。アラカルトを選ぶこともできるが、和朝食、洋朝食の、2種類のセットメニューが用意されていた。暫く日本を離れていたこともあり、迷わず和朝食をチョイス。なんといっても、JALの売りのひとつ、機内で炊く熱々のご飯をいただくことができるのだから。
実は、行きのニューヨーク便に乗ったときに、リラクシングウェアとともに持ち帰りたかったものがあった。ユニバーサルデザインの檜葉(ヒバ)の箸だ。旅の最初に荷物を増やしたくなかったので、帰国便のときにいただこうと楽しみにしていた。が、形状が違う! なんと、懐石料理にも使われる利休箸に変わってしまっていた! 檜葉の香りが強すぎるという理由だとか。在庫ももうなくなってしまったと。
「あー、残念!」と、かなり残念がってしまったら、暫くして、CAさんが、「お箸をご用意できなかったので、ぜひこちらを」と、同じくユニバーサルデザインのマグカップをくださった。
「あー、実はコレも気になっていたんです!」。思わぬギフトですっかりハッピーな気持ちにしていただいたのだった。
食後には、楽しみにしていた高級青茶を1杯。ワインのようなボトルに入った、ロイヤルブルーティーの、クイーン・オブ・ブルー。厳選した手摘み茶葉を使って3~5日かけて抽出してボトリングしたお茶だ。淹れたてではないのに、香り豊かで、ワイングラスでいただくと香りが立って、味も香りも楽しめる。
ファーストクラスに乗っていると、ほんとうに時間が短く感じられる。成田がどんどん近づいていた。明るい機内をもう一度撮影。明るくなってから撮ろうと思っていたアメニティをテーブルに広げたり、動画を撮ったりして大忙し。CAさんに「そろそろお席に……」と心配される始末(笑)。でも、暗いときにはライトを持ってくださったり、ワインボトルを並べてくださったり、撮影に細々と協力してくださって、ほんとうによくしていただいた。
右:スリッパはふかふかのパイル地。靴ベラも付いている。
成田に着いたとき、CAさんが私の手荷物を持ってくださった。「あれ? 自分で持っておりないといけないのにどうして?」と思っていたら、ドアのすぐ外に地上係員の方が待機していた。CAさんから私の荷物を受け取ると、「お疲れ様でした。こちらへどうぞ」と。先導してくださる。それは、噂に聞いていた、ファーストクラスの搭乗客の中でも、VIPだけに提供されるアテンドサービスだった! でも、世界一周航空券の場合はなかったはず。
聞くと、「フライトが遅れたので、できる限りのサービスをさせていただきます」とのこと。そのまま、入国審査のカウンター以外はずっとアテンドしてくださり、バゲージクレームでは私の大きくて重いスーツケースと、増えてしまった段ボールをカートに載せて、宅配便の発送も手伝ってくださり、成田エキスプレスの改札口まで送ってくださった。私に限っていえば、今回のディレイは、何もかもがラッキーとなった。そして、最後まで思い出深い旅のフィナーレとなったのだった。
ちなみに、2015年10月24日までは、使用機材の変更によりJALのジャカルタ便にはファーストクラスがない。東回りのアジアからの帰国便は、他社のファーストクラスかJALのビジネスクラスを選ぶことになるのでご注意あれ。
次回は番外編、お得なノウハウ満載なのでお楽しみに!
JAL(日本航空)
URL http://www.jal.co.jp/
Column
たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周
ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!
2015.10.02(金)
文・撮影=たかせ藍沙