ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!

ドーハのハマド空港のターミナル中央に鎮座する巨大なテディベア。ニューヨークを拠点とするアーティスト、ウルフ・フィッシャーの「無題(ランプ/クマ)」という作品で、クリスティーズで競売にかけられたときにはNYのパークアベニューに5カ月ほど座っていたという。柔らかそうに見えるけれど、ブロンズ製で堅い。(撮影=たかせ藍沙)

ファーストクラス顔負けのビジネスクラス!

ヨハネスブルグのカタール航空チェックインカウンターで。チャーミングなアフリカ美人が手続きをしてくれた。

 南アフリカのサファリを満喫してヨハネスブルグに戻り、預けてあったスーツケースをピックアップ(サバンナへの小型機には重量制限があったので)。ここで、不要となった荷物を日本に送った。

 南米の高地で使った防寒具や靴、アマゾンとサファリで活躍した双眼鏡、ウユニ塩湖で買った塩、チェックアウト時にもらったナミブ砂漠の砂など。重量があって、この先使わないものたちを8キロほど。ホテルのコンシェルジュによると、航空便なら約8万円、船便だと5,000円程度。迷わず後者を選んだ。3カ月ほどかかるというけれど、8万円支払うなら、手に入るものは一度捨てて日本で買い直した方が安い。

ヨハネスブルグのビジネスクラスラウンジ。空港の規模のわりにはこぢんまりとしていた。イスの背にアフリカらしいデザインが施してあった。

 身軽になって移動する次の目的地はアラブ首長国連邦のアブダビ。今回利用しているアライアンス「ワンワールド」に加盟しているのは、ラグジュアリーさで話題の中東系エアラインのひとつ、カタール航空。南アフリカのヨハネスブルグから、カタールのドーハを経由してアブダビへ飛ぶ。

 最初のフライトは約8時間30分のロングフライトだ。このフライトにはファーストクラスがないので(涙)、ビジネスクラスとなる。とはいえ、カタール航空の最新鋭のB787(通称ドリームライナー)のビジネスクラスは、ファーストクラス並みと評判なので、けっこう楽しみにしていた。

ビジネスクラスの座席は1-2-1の配置。それぞれ、通路とは逆の方を向くように、斜めの角度がつけられている。
真上から見るとダイヤモンドの形をしているというユニークなシート。フルフラットになる。

 座席の配置は1-2-1。プライバシーが確保されたユニークなダイヤモンド形のシートが、ファーストクラスのように余裕をもって配置されている。ファーストクラスのほとんどがそうなのだけど、ナイトフライトでなくても機内の照明は落としてあって、必要な場合は個別の照明を灯すスタイル。シートをフルフラットにしてぐっすりと休みたい方に配慮しているのでしょうけれど、写真を撮りたい私にとってはもっと明るくして欲しいのだった(苦笑)。

扉の前のスペースには小さなカウンターがあり、食事が終わると飲み物とスナック類が置かれる。

2015.08.07(金)
文・撮影=たかせ藍沙