アラカルトの夜食メニューも充実!

シートに座ったところで、離陸前にシャンパンとおしぼり。こちらのシャンパンは、ドゥーツ キュヴェ・ウイリアム・ドゥーツ 2002。充分に美味しいけれど、サロンが待ち遠しい(笑)。

日本を出発したときのニューヨーク便以来、久しぶりのJALのファーストクラス。CAさんは、「出発が遅くなり、たいへん申し訳ありません」とことさらていねいに迎えてくださった。

 シートに座ると、さっそくおしぼりと飲み物のサービス。飲み物はもちろんシャンパンをセレクト。「これはサロンじゃないんですよね?」と確認すると、「はい、サロンは離陸した後に、いちばん良い状態で開栓いたします」と。生産数に限りがある希少な高級シャンパン、サロンを、機内でサービスしているのは世界でJALのファーストクラスだけ。なんともプレミアムなシャンパンなのだ。

ファーストクラス8席の定員に、ふたりしか搭乗客がいなかったので、写真撮り放題(笑)。こんな角度からのシートもご迷惑をかけずに撮影できた。完全個室ではなく、パーティションの一部が開いているという感じだ。

 ほどなくしてドアが閉まった。機内を見回すと、8席あるファーストクラスの搭乗客は、1Aに座っている私と、後ろのシートにもうひとりの、たったのふたりだけ。聞くと、他社便に振り替えた方もいらしたのだとか。チェックインの段階では1時間の遅れで済むとは分からなかったから、お急ぎの方は仕方がないというもの。

革張りのシートはゆったり座れる余裕の広さ。ひとり分の長さは窓4つ半くらい。
シート側から見た占有スペース。個人モニターが遠いけれど(笑)、その分大きいので見やすい。モニターの前にある台を、スライドして手前に引き寄せると食事用のテーブルになる。窓側に並ぶ収納やリモコンなどの詳細は、1ページ目の動画をご覧あれ。

 ニューヨーク便のときは、8席に4人だったので、ひとり2席ずつ使って、1席をイス、1席をベッドにしてくれて、好きなタイミングで休んだり起きたりできた。今度は、同じように使っても4席余っている。私にとっては、セッティングしたままのシートが写真撮り放題というオマケが付いた、嬉しいフライトとなった。このフライトでは、ディレイ(遅延)がラッキーと言える状況となった。

左:待ってました! シャンパーニュ サロン 2002。ひときわ香りが豊かで、奥深くて濃厚な味わい。年間生産量が少ない希少なシャンパンで、ブドウが不作の年には生産を見合わせるほどこだわった最上級のシャルドネのみを使った、21世紀最初のヴィンテージ!
右:アラカルトメニューからキャビアをセレクト。しっかりとした味のサロンは、キャビアの香りに負けない、というか、キャビアが引き立て役になるくらいの存在感!

 シートベルトサインが消えると、さっそくサロンをいただいた。「う~ん、やっぱり美味しい!」。そして、サロンにふさわしいマリアージュはドイツ産のキャビア。ゆで卵とエシャロットを刻んだものと、小さなパンケーキが付け合わせに。めくるめくような長旅を思い出しながらの至福のひととき。「あ~、次はいつサロンをいただけるかしら。というか、またファーストクラスに乗れるように頑張らなくちゃ!」と、コクのある濃厚なシャンパンとキャビアの味を舌に刻んだのだった。

 そして、ここでCAさんにわがままを。「サワークリームはないですか?」と。キャビアをサワークリームとともに食べたかったから。暫くすると、「申し訳ありません、ご用意がないのですが、キャビアをもうひとついかがでしょうか?」と。なんと、サロンとともにキャビアもおかわりさせていただいてしまった! これは、他の便に振り替えた方の分。CAさん、ありがとうございました!

夜食は軽めに、そばと素麺の三種盛りを選んだものの、本来は寿司とペアになっている茶碗蒸しもお願いした。こんなわがままをお願いできるのもファーストクラスならでは!

 夜遅いフライトということもあり、食事は軽めのアラカルトが用意されていた。ごはんものは、寿司盛り合わせと茶碗蒸し、東京香味カレーライス“野菜のキーマカレー”、麺類は、そばと素麺の三種盛り、味噌らーめん、わかめうどん。「う~ん、選び難い!」。いつもなら2種類くらい食べてしまうのだけど、出発時刻がもっと遅れると思ったので、ラウンジでそこそこ食べてしまったのだった。

 最終的に寿司と迷って、そばと素麺を選んだ。ニューヨーク便に比べてフライト時間が短いので、さっぱりしていて消化のいいものをいただいた。久しぶりの日本食、醤油の香りがうれしくて、心と胃袋が震えた!

2015.10.02(金)
文・撮影=たかせ藍沙