ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!

カンタス航空のラウンジでおもしろマシン発見!

大きさが違う照明の使い方が秀逸。このようなカウンター席のほかにソファ席がある。

前回の香港から少し話は戻るけれど、ここでシドニーからのフライトもご紹介したい。シドニーから香港までは、経由便も含めてかなり調べたが、ファーストクラスのフライトが見つからなかった。選択肢は2種類。到着地香港のキャセイパシフィック航空のビジネスクラスか、出発地オーストラリアのカンタス航空のビジネスクラスか。最終的に、ラウンジの利用を考えてカンタス航空を選んだ。航空会社は、もっとも充実した空港ラウンジを自国の空港に造っているからだ。

 ということで、早朝、シドニーのキングスフォード・スミス国際空港へ。ファーストクラスのチェックインカウンターを横目で見ながら(だって、チケットはファーストクラスなのだから)、ビジネスクラスのチェックインカウンターへ。ほとんど待たずにスムースなチェックイン! その横に、ファーストクラスとビジネスクラスの搭乗客のみが使うことができる「Express Path」がある。チェックインの際にもらったチケットを見せて中へ。手荷物検査も出国審査も待ち時間なく通過できた。これがアッパークラスのいいところ。

 そして、カンタス航空のラウンジへ。免税店などがあるフロアからエレベーターで上へ。最初にファーストクラスラウンジの豪華な入り口があった。中は見えない。それを横目で見ながら通過し(繰り返すけど、私はファーストクラスのチケットを持っている! 笑)、その奥にあるビジネスクラスラウンジへ。朝食の時間だったこともあり、食事はパンとフルーツ、それと卵とベーコン程度だった。

料理が並んでいるカウンター横の柱の後ろにあったパンケーキマシン。ぜひお試しあれ。

 お料理は昼と夜だけなのね、と思いつつカウンターを眺めていたら、その横にある柱の後に不思議なマシンを発見! マシンの前にいた男性が、ポタリ(!)と出てきたパンケーキをあわててお皿に載せていた。「なにそれ?」と、眺めていると、もう1枚ポタリ。彼は、私に微笑みかけて去っていった。

 その姿を見ていた私は、まず、出口にお皿を置いた。「OK」のボタンを押して20秒ほどで、マシンからにゅるりとパンケーキが出てきた! 「おもしろい!」もう1回ボタンを押して、バターとはちみつとともに実食。フライパンで焼いたときのカリッとした食感はないものの、マシンにしては上出来。このラウンジに行ったときにはお試しあれ。

シートにはマッサージ機能もついていて、フルフラットになる。

 機内のシート配置は2-3-2。フライトは9時間でけっこう長いのに、なぜかファーストクラスがないのだった。昼間のフライトとはいえ、9時間はけっこう長い。

アメニティはニューヨークのブランド、ケイト・スペード。女性用のポーチは鮮やかな色彩。オーストラリアの高級スパブランドの植物由来の保湿クリーム、リップバーム、ハンドクリーム、歯ブラシ、歯磨き粉、イヤウィスパー、アイマスク。右上の黒いソックスは頼めば用意してくれる。

 ケイト・スペードのアメニティが配られたが、スリッパがなかったのでCAさんに聞くと、ファーストクラスにしかないとのこと(しつこいようだけど、私のチケットはファーストクラス! 笑)。代わりにソックスを持ってきてくれた。ソックスだとトイレに行くときは靴に履き替えたいし、私としては、9時間もあるのならスリッパが欲しい。カンタス航空さん、せめて希望者にだけでも、ぜひご検討を~!

左:フレッシュなグリーンサラダに続いてコリアンダーが載ったパンプキンスープ。身体が温まって食欲が出る。
右:メインは鶏の胸肉のローストをチョイス。連日食べ過ぎているのでカロリー控えめにするにはちょうどいい感じ。ほかに、スリランカ風エビカレー、ラム肉などがあった。
2回目の食事は飲み物と、紙のパックに入ったランチョンボックス。1回目はカロリーを抑えたので、今回はプルコギにしてみた。

2015.09.18(金)
文・撮影=たかせ藍沙