「記憶に残るお菓子」という願いを込めて
「フィナンシェにはオーストリア産のオーガニックの蜂蜜を使って優しい味に。マドレーヌはきび砂糖でコクのある味わいに」と松浦さん。
「ガレット・ブルトンヌ」は、発酵バターをたっぷり使用。
袋に入ったクッキー、サクサクしたサブレの「ディアマン」は、ココナッツとカカオの風味の2種類。北海道産の甜菜グラニュー糖を使っているそう。
雪のようにふわっと溶ける「ブール・ド・ネージュ」はクルミ入り。和三盆を使って上品な味わいに仕上げてあります。
「ヴィエノワ」は、日本茶にも合う懐かしい味わいのクッキー。
松浦さんが手作りするジャムやグラノーラも、お店に並んでいます。「ジャムは、果物など旬の素材を使っています。添加物を使わないので、素材の風味で味わいが変わりますが、それも楽しんでもらえたら。私のその日の気分やお天気で味が変わったりも(笑)」。べっ甲色までマーマレードを煮詰めたり、ルバーブに柑橘をミックスしたり。店休日にていねいに作られたジャムは、隠れた人気商品。カフェでは、炭酸で割ったドリンクも出されています。もちろん、スコーンにも添えて。
「子供達の記憶に残るお菓子の店になれたらいいなと思っています。大きくなっても、私のお菓子を覚えてくれていたらうれしいなあ」。息をしているのと同じように、お菓子を作るのが生活の一部になっていると笑う松浦さん。
「季節のお菓子、日持ちのするお菓子にもっと親しんでほしい。お友達のおうちを訪ねる前に立ち寄ったり、自宅用に家族の分を買って帰ったり。そんな気軽に入れるお店でありたい」
「地に根をはる」という意味の店名に、松浦さんの思いが込められています。
「Atelier Rosette」
所在地 兵庫県神戸市灘区宮山町2-3-21
電話番号 078-856-9076
URL http://kobe-rosette.com/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2015.09.13(日)
文・撮影=そおだよおこ