しっかり焼きこんだおいしいタルト
「タルトなどの焼き菓子は、華やかなお店では、すみっこに置かれていたりするでしょう。焼き菓子を主役にしたかった」
松浦さんこだわりのタルトが常時4、5種類、小さなケースに並んでいます。
定番の「タルト・モンモランシー」は、キルシュに漬け込んだグリオットチェリーとチョコチップをメレンゲ生地に混ぜて焼き上げた一品。優し気な見た目と異なる、深い味わいの虜になります。
「タルト・アプリコ」も定番。アプリコットはコンポートだけでなく、生で使うこともあるそう。アプリコットの酸味が生地と一体になって絶妙です。
右:「タルト・モンモランシー」 450円。
「バナーヌ・エ・ココ」は、バナナとココナッツの組み合わせ。火が入ったバナナのおいしさとココナッツの風味のハーモニーが楽しい。
「タルト・フランボワーズ」は、ピスタチオとフランボワーズの風味が口いっぱいに広がります。しっかりした大人の味わい。どのタルトも、それぞれのおいしさを味わううちに、すうっと口の中で消えて優しい風味が口に残ります。
その他、季節のフルーツを使った「タルト・フリュイ」や「晩柑のタルト」などが日替りで登場します。
右:「晩柑のタルト」 450円。
「ブルーベリーのタルトなら、タルト生地に塩を効かせてさっぱりと。また、季節によって砂糖を変えています」と、松浦さん。同じタルトでも、暑い夏には、すっきりした甘さにするために甜菜糖に、また、寒い冬には、こっくりした甘さを出すきび砂糖に、といった具合。
「タルトは、どこよりもしっかりと焼き込んでいます。果物を使ったものは、果汁がタルト生地になじんだ味わいを楽しんでほしい。焼き立てよりも、翌日からがおいしい。数日経ってから食べてほしいんです」
大きなサイズをお誕生日用に注文するタルト好きも多いそう。また、場所柄、山歩きのお供に買われる方も多いとか。「手軽に手で食べられるように、しっかり焼いています」と松浦さんはにっこり。常温で持ち歩きや保存ができ、日持ちするのも大きな魅力。
2015.09.13(日)
文・撮影=そおだよおこ