モノトーンのブリティッシュシックなファーストクラス

左:ブリティッシュ・エアウェイズの、A380ファーストクラスのシート。写真右に見えるのがクローゼットで、肘掛けの下にも収納用引き出しがある。
右:シートの背もたれ側から前方。座っていても足を伸ばすことができる余裕の広さ。窓側にも収納がある。テレビモニターは右の壁から引き出すスタイル。

 このフライトは、今回の旅のハイライトのひとつ。イギリスのロンドンから南アフリカのヨハネスブルグまで、最新鋭の総2階建て旅客機A380のファーストクラスで飛ぶのだ。

 ラウンジでのひとときを堪能しすぎて、またもギリギリに搭乗(笑)。座席は1-2-1という配置で、黒を基調にモノトーンでまとめられたシックなインテリアはかなりの高級感だ。完全個室ではないものの、パーティションの高さがあるのでプライバシー確保も申し分ないし、各座席にハンガー付きのクローゼットや収納用引き出しがあって使い勝手がいい。

リラクシングウェアとスリッパは黒。アメニティのポーチはしっかりした作りで長く使えそう。
中のコスメはイギリスの高級アロマブランド「アロマセラピーアソシエイツ」。バラの香りのクレンジングとモイスチュアクリーム、オレンジの香りのハンドローション、リップクリーム、ブラシ、アイマスク、ロゴ入りの高級感のあるボールペン、コスメ用コットンなどが入っている。アイマスクやソックスは糸で、それぞれのコスメは小さなテープでシールドされているという心遣いも。

 配られたリラクシングウェアも黒。緩やかなVネックで、胸にブリティッシュ・エアウェイズのマークと「First」という文字が、白い糸で刺しゅうされている。着替えようとして広げたらLサイズだったのでかなり大きかった。袖からやっと指が少し出るくらいにぶかぶか。「Sサイズはないかしら?」とCAさんに聞くと、快く小さなサイズを探してきてくれた。着替えてリラックスしたところで食事が始まる。

左:「テイスティングメニュー」の2品目、シーバスのブイヤベースソースにフランスのブルゴーニュの白ワイン。ちなみに、1品目はサーモンの上に蟹とアボカド、キャビアが載った前菜だった。
右:アヒルのコンソメに続いて、4品目はアンガスビーフのフィレ肉とオックステールと根菜の赤ワイン煮込みパイ皮包み焼き。これ、かなり美味しかった。ワインはフランスのボルドーの赤。そして、最後はデザートだった。

 18時発のフライトだったので食事は夕食の時間帯。とくにコースメニューというものはなく、少しずつ5品楽しむことができる「テイスティングメニュー」と、アラカルトというラインナップ。アラカルトは、前菜、メイン、デザート、チーズなどからそれぞれ選ぶことができる。いろいろ楽しみたいので「テイスティングメニュー」を選んだ。せっかくなので、それぞれに合うワインもいただきながら。

左:食後のコーヒーの友はチョコレート。イギリスの名店「ホテル・ショコラ」のトリュフだ。
右:ベッドメイキングが終わって枕元のライトを点けると、機内のシートというよりも、小さなベッドルームという落ち着いた雰囲気に。もちろん、寝心地も抜群だった!

 食後は、トイレで歯を磨いている間にベッドメイキングをしてくれていたので、時間を無駄にすることなく、すぐにぐっすり眠ることができた。でも、フライトを楽しみたいので睡眠は短め。3時間ほど眠って、むくりと起きた(笑)。時として、強い好奇心が疲れに勝ってしまうのだった。

朝食の時間でも、休んでいる方もいらっしゃるので全体の照明は灯されない。個別のライトでも充分明るいけれど、夜明け前に朝食をいただいているような感じ(笑)。食事の最初にフルーツを。時間も食事順も自由にお願いできるのはファーストクラスならでは。

 起き抜けにアラカルトをもう1品いただこうかしらとCAさんに聞くと、「あと20分くらいで朝食が始まりますが、いかがなさいます?」と。アラカルトをやめて、朝食を待つことに。お国柄が楽しめそうな「イギリスの伝統的な朝食」をチョイス。

 これが、たいへんなボリュームで、半分もいただけなかった。夕食をとらずに早めに休んだ人におススメしたい。女性にはアラカルトの1~2品がちょうどいいかと。

「イギリスの伝統的な朝食」と書かれていたメインコースがこちら。朝食にしてはかなりのボリューム。半分も食べられなかった(汗)。イギリス人の朝食って、朝からこんなにボリューミーなのかしら?

 「イギリス人って、朝からこんなに食べているのかしら?」と疑問が残ったものの(笑)、A380を満喫したフライトだった。そして、いよいよアフリカ大陸、南アフリカのヨハネスブルグに降りた。

2015.07.10(金)
文・撮影=たかせ藍沙