かゆみや黒ずみを一緒にクリアしてくれる一品も
そもそもこのゾーンのケアには大きな個人差があり、膣の中まで洗うという人がいる一方、さらりと表面だけ洗うという人もいる。そんなことはわざわざ話し合わないからこそ、その個人差は縮まらないのだ。
しかし誰かがやっていると知れば、自分もやらなきゃと思うのが日本人。ましてやそういうデリケートな部分を丁寧に洗い、ケアするのはとても日本的なこだわりだ。だから聞いてほしい。日本のデリケートゾーンのこと。
このジャンルの草わけ的存在であり、ブームの火付け役でもあるのが、アンティームオーガニック バイ ルボア。元フライトアテンダントの女性が立ちあげた日本のオーガニックブランドだ。クレンジングはもちろん、Vラインや乳首の黒ずみなどにも使える美白クリーム、そして保湿効果もありつつローズの香り付けもできるローズローション。香料もあえて食用にこだわって、もちろん肌にも優しい。新ブランドも増えていて、デリシャスボディのベアウォッシュは、かゆみや黒ずみも一緒にクリアにしてしまうという頼もしい一品となった。ちなみに洗いすぎは逆に必要な常在菌を取りのぞくことになりかねないが、これはそこまで計算している。
はっきり言って、今ブームになっているデリケートゾーンケアは、単に大切なところを丁寧にケアするというだけじゃなく、性的なニーズにも応えるものとなっている。一方でデリケートゾーン専用のいわゆるVIO脱毛も、ひそかなブームになっているのだ。つるっと脱毛してしまう人もいれば、薄く残す人もいるというし、そもそもその脱毛が必要なのかという疑問もあるけれど、不衛生になりがちだからと処理してしまう人もいるらしい。いずれにしても、のんびりしているとひとり取り残されそうな勢いなのだ。
恋人のいる人も、いない人も、そういう前提なしに、ともかく始めてみてほしい。始めてみるとわかるはず。これは、自分自身を女としてとことん大切にする美容であることを……。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2015.02.27(金)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫