ファンデーションで小顔づくりの定義を根底から塗りかえる一品
小顔……それはどんなに時代が変わっても変わることのない、永遠の美の条件。“女はふくよかな方がいい”と言う男はいても、“顔が大きい方がいい”と言う男はいない。もちろん小顔になりたくない女はひとりもいないのだ。でもなぜそれほどまでにみんな小顔にこだわるのか? 顔が大きいと、洋服が似合わない。プロポーションが悪く見える。老けて見える。そもそも可愛くない。その理由は意外に多岐にわたるのだ。
だから美容の世界でも、今まで“小顔づくり”は最重要テーマのひとつとされてきた。リフトケアはもちろん、ファンデーションでの2色使い、シェーディング、さらにはメイクアップでのひと技までが模索されてきた。ではそういう今までの小顔づくりはどれだけの成果を上げてきたのだろうか。
正直、体重のように数値での評価は難しい要素なだけに、小顔の手応えはもともとが“何となくそう見える”という、ぼんやりした感覚的なもの。あとは、見るからに小さい顔の持ち主の隣に座らない、一緒に写真を撮らない、を心がけること。それくらいの比較によってしか判断できないのが小顔づくりなのだ。
従って、無理やりに顔を小さく見せようとする直接的なテクニックは大体うまくいかない。たとえば、シェーディング。頰骨の下あたりに影をつくったり、フェイスラインに沿って影を入れたり、ともかく茶色系のシャドウを顔に面で塗る方法は、プロがやれば話は別だが、多くの場合、顔が汚れているように見えるだけであえなく失敗。
一方、ファンデーションの2色使いも、頭で考えているほどにはうまくいかない。また高い所をより高く見せて、立体感で小顔に見せるような光の技術を持つファンデーションもたくさん登場したが、これもまだ発展途上。
2015.02.24(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫