【次に流行るもう一曲】
MISIA「白い季節/桜ひとひら」
コーライト=共作で生まれた新曲の仕上がりは?
伊藤 もう一人の女性ソロシンガーはデビュー17年目のMISIA。こちらもダブルA面シングルですが、その1曲「白い季節」は僕らがやっているCWF(山口が塾長、伊藤が副塾長を務める「山口ゼミ」〈外部サイト〉修了生による、作曲家チーム)のメンバーとヒロイズムのコーライト(共作)曲なんですよね。
山口 嬉しいですね。山口ゼミ第3期生でCWFメンバーの出井雄喜の名前がクレジットされています。
伊藤 この曲はファーストデモの時から聴いているので思い入れがありますね。こうして完成品を聴かせてもらうと嬉しい、素晴らしい曲に仕上がってます!
山口 年末にヒロイズムさんから、マスタリング前の音源を聴かせてもらった時に、これは名作だなと思いました。
伊藤 まだまだ少ない日本人によるコーライティングでヒット曲を作りたい、そう思ってCWFを作ってから1年ちょっと。やっとスタートが切れた感じですね。しかもそれが日本を代表するディーバ・MISIAの曲であることもイイ。
山口 日本は、歌謡曲時代の「作曲家先生」から、シンガーソングライター全盛という系譜なので、コーライティングの文化がないんですよ。プロ作曲家育成のための「山口ゼミ」を始めた時から、日本でコーライティング・ムーブメントを広める起爆剤にしたいと思っていたのですが、やっと形になってきましたね。
伊藤 ですね。これからも、もっともっと良い曲を世の中に出していくことが使命だと思ってます。やっぱり本当の意味での“国民的ヒット曲”を作る日まで立ち止まれない。
山口 これまで身内でやってきたコーライティングキャンプも、今年は「オープン化」して、海外の作曲家も呼んで、大がかりにやる予定です。まもなく発表できると思います。頑張りましょう。
伊藤 そうですね。日本初のコーライトキャンプがクリエーターたちをザワつかせる日も近いですね。それに自治体と組んで、オフィシャル感のあるものにすることで今後の広がりも期待できますし、新しいムーブメントが動き出している感じにワクワクしますね。
しかし考えてみると、今回の2曲も前回に引き続き、ラブソング2曲になってしまいました(笑)。
山口 さすが「ラブソングラボ」ですね(笑)。私たちが「ラブソングラボ」名義でコーライトした書籍『恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ とびきり愛される女性になる』は、ローソンHMVエンタテイメントから3月2日発売予定です! 帯の推薦文は華原朋美さんからいただきました。
伊藤 彼女からの推薦文はうれしいですね。この本で紹介した歌詞のフレーズをコラージュしたオリジナル曲をCWFで2曲作ったんだけど、2月25日にiTunesストアなどで配信リリースすることになりました。これを聴いてもらえれば、コーライティング作品の魅力がわかって貰えると思うなぁ~(笑)。
MISIA「白い季節/桜ひとひら」
アリオラジャパン 2015年2月18日発売
初回生産限定盤[CD]1,600円(税抜)
■「白い季節」は、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ「セカンド・ラブ」挿入歌。「桜ひとひら」は、テレビ東京開局50周年特別企画ドラマスペシャル「永遠の0」主題歌。両曲ともに、バックトラックはスティーヴィー・ワンダーのバックバンドが演奏したものをアトランタで録音している。
■「白い季節」作詞/her0ism 作曲/her0ism、Yuuki Idei
■オフィシャルサイトURL http://www.misia.jp/
【動画サイト】
「白い季節/桜ひとひら」
URL https://www.youtube.com/watch?v=wRibM11gPs0
Column
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2015.02.14(土)
文=山口哲一、伊藤涼