おすすめはドリームビーチとサンセットビーチ

養殖場でとった海藻を天秤に山盛りにして運ぶ島民。

「10年前のバリ島」と呼ばれるヌサ・レンボンガンを体験するなら、マッシュルーム・ベイから内陸へ入ってみましょう。

 幅が2~3メートルしかない主要道路はところどころ未舗装。がんばって自転車のペダルを漕いで行くと、村では見上げるほど急勾配の階段の上に築かれたプソ寺院や、バンヤンツリーの大樹の下で遊ぶ子供たち、そして名産の海藻を天秤で運んだり、浜辺にしゃがんで天日干しする島民の姿が。潮の香があたりを満たしています。さらに進むと、いっそうローカル度が上がるお隣のヌサ・チュニガンとを結ぶ、交互交通の細い橋が。

 また、島の4分の1を占めるマングローブ林のリバークルーズや、「ガーラガーラ」という地下の家へ訪れるビレッジツアーなど、素朴な島を体験するオプショナルツアーもあります。

高台のバーから望む、隠れ家感たっぷりのドリームビーチ。

 島にはいくつかビーチがありますが、おすすめは南側のドリームビーチと西側のサンセットビーチ(別名サンディベイ)。

 小ぢんまりとした入江のドリームビーチは、バリ島界隈で最も美しいビーチのひとつと言われています。アダンの木に囲まれた静かなビーチには、波が次々と打ち寄せ、波打ち際は白い繊細なレースのよう。浜を見下ろす高台にあるロスメン(民宿)経営のバーではレゲエがかかり、流れる時間もゆったりとした裏打ちリズム。お気に入りのビーチです。

ドリームビーチの北にある、岩礁が露出したサンセットビーチ。

 もう一方のサンセットビーチは雰囲気が変わり、ちょっぴりワイルド。干潮時にはビーチロックが海面から露わになり、東側の石灰岩の岬には洞窟が姿を現します。若いスタッフが店番をするビーチ脇のワルンでかかっていたのは、インドネシアのポップミュージック。伝統音楽のガムランではないあたりが、観光ズレしていないなぁ~と。

朝とった海藻を選別し、一部を海に戻して、残りは天日干しに。昔ながらの製法が守られています。

 1日クルーズのみならず、リゾートステイもできます。「10年前のバリ島」に出会いに、気軽なタイムトリップ体験をしてみませんか?

ヌサ・レンボンガン
●アクセス バリ島のタンジュン・ベノアやサヌールからボートで約1~2時間
●おすすめステイ先 レンボンガン・ビーチクラブ&リゾート
URL http://lembonganbeachclub.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.08.16(土)
文・撮影=古関千恵子