無痛分娩へのプレッシャー

未映子 でもわたしは子どもひとりやけど、ミガンは2人目を生んだやん。2人になるとしんどさが全然ちゃうんやろ。どう、大変すぎる?

ミガン よく、「つらさは倍、幸せは4倍」とか言うけど、嘘やわ!(笑)。「幸せ倍、つらさ4倍」やわ。しんどさが連鎖する、っていうのかな……こっちがキャーと泣き出して、あわててあやすと、今度はもういっぽうが甘えてギャーと叫びだす、とかな。ひとりのときがどれだけ余裕があったのかと思い知る日々です。

未映子 4歳‐2歳とか、5歳‐3歳とかになると、上の子が下の子の面倒をみてくれるようになってすごい親が楽になるっていうけれど……

ミガン 今はそれだけを楽しみに生きてるところある(笑)。今、下の子が7ヶ月、上の子が2歳半やから、「早く一緒に遊べるようになったらいいなあ」と呪文のように言い聞かせてるよ。

未映子 ところでわたしら、無痛分娩の産院を選んだやん。周りからいろいろ言われへんかった?

ミガン いや、むしろ「無痛って何? そんなのあんの」ってレベルやったかも。で、これだけわたしが「無痛よかったよ、最高~」って言っても、これから出産する友だちに聞くとみんな、「自然で生む」って言うねん。ほんまに。

未映子 それは怖いものみたさで、産みの苦しみを体験してみよう、ってことなんかな? 

ミガン よく言われてけど、「母親になるには痛みが必要」っていう例の信仰が健在なのかも。よくわからんけど。

未映子 まあ無痛って産院も限られてるし、高額やったりするし、色々な条件があることはあるけれど、もうちょっと増えてもいいと思うよな。わたし極端にナチュラル志向の考え方って苦手やねんけど、でもある人に言われたことで「一理あるな」って思ったのは、手術室のあのライトは、目がひらいたばかりの赤ちゃんにとってはすごいストレスになる、だからもっと薄暗い、ローソクぐらいの灯りの中で生むべきよ……っていうのがあって。たしかに大人でも寝起きにものすごいライト当てられたらきついよな。しかも赤ちゃんって初めて世界にやってくるわけやから寝起きどころの話じゃないよな。

ミガン たしかに。自然分娩を選ぶ母親って、母体にかかる負担より、赤ちゃんのことを第一に考えるタイプなのかも。

未映子 でもそれを言うなら、わたしらがかかった無痛分娩のパイオニアの先生は、「お母さんの痛みが強すぎると、赤ちゃんにもストレスがかかる」って言ってたりも……。

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2014.07.09(水)