できあがったシュークリームはどれもかわいい

 「とくいち」のシュークリームは、ふっくらモコモコした皮の中に、ぷるんとした、どこかプリンを思わせるカスタードクリームが入っています。今時の生クリームを使ったタイプとは違うし、皮の中にぎっしりクリームが詰まってもいません。手に持って食べてみると、皮とクリームと一緒に空気も口に入る。その軽やかな感じがとてもいい。優しい味わいのおやつに、誰もがほっこりします。

 「カスタードクリームを炊いていると、色、艶がピカッとなる瞬間がある。そのタイミングを逃さないことがポイントでしょうか。毎日、湿度が微妙に違うから、同じように皮を焼いても、1個だけぺしゃんとしてしまったり(笑)。できあがったシュークリームが1個1個、表情が違うのもいいんです。どれもかわいい!」と慶子さん。

 父親が使っていた道具で1個1個手作業でクリームを詰めたら、フィルムに包みケースに並べて、11時に開店。予約は当日11時からの受け付け。おつかいものにと、まとめ買いが多いのは、老若男女、皆が好きで安心して食べられるからでしょう。

 箱に掛け紙をして紐をリボン結びにするラッピングも、昭和のイメージ。

 「ゼー六」のアイスモナカと同じ風味のシュークリーム。昭和のシュークリームが、ずっとずっとあり続けて、人々のおやつの記憶として、いつまでも残りますように。

 シュークリームのケースの引き戸の上には「じいちゃんの味を守ります。」としっかり記されていました。

とくいち

所在地 大阪府大阪市中央区淡路町1-6-5
電話番号 06-7165-3435
営業時間 11:00~売り切れ次第閉店
定休日 日曜・祝日(土曜は不定休)
Instagram @tokuichi_ze6
※予約は当日11:00から受け付け

Column

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生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2025.10.12(日)
文・撮影=そおだよおこ