――先生もいじめに加担するとは、ひどすぎますね。

細山 一番覚えているのは、先生に発音を矯正されるタイミングがあって。「星」の「star」って「r」が入っているので発音が難しいじゃないですか。で、それをみんなの前で10分ぐらいひたすら「star、star」と言わされて。

 周りのいじめっ子たちはずっとケラケラ笑ってるけど、先生も止めることなく、まるで公開処刑のようでした。

「プールの更衣室で死のうとしました」小学生時代に自殺未遂

――自殺未遂をした時のことは覚えていますか。

細山 したことは覚えてるんですけれども、鮮明ではなくて。「死ぬぞ」と思ってしたというよりかは、どうしようもなくなって、突発的にやったんだと思います。

 いじめられていた中でも1人だけ仲良くしてくれる親友の子がいて。彼はスクールカーストの中でも上の方の子なのに、分け隔てなく仲良くしてくれる子だったんですね。

 で、原因は忘れてしまったんですけど、その子と大ゲンカしてしまって、唯一僕の味方でいてくれた親友がいなくなってしまったんです。

 その時、ちょうどプールの後で更衣室にいたんですけど、今後の学校生活を想像すると苦しくなってきちゃって、その場で死のうとしました。

――誰かが細山さんを発見して一命をとりとめた?

細山 運良くというか、当時は太っていたのでネクタイがちぎれて助かったみたいで、グッタリしているところを発見されたみたいです。

 その時はノイローゼになっていたと思うし、あんまり思考がクリアじゃなかったのでうろ覚えなんですけども。

 結局、その学校はいじめが原因で転校しました。

「いじめられる側が悪い」自殺未遂後に受けた学校側の酷すぎる対応

――いじめた側ではなく、いじめの被害に遭った細山さんが学校を出るんですか。

細山 学校側は、「いじめられる側が悪い」ということで、自費でカウンセリングに通わされました。

 最終的には、「やめろとは言わないけど、あなたはうちの学校には合わないのでは」みたいなことを言われて、退学しました。

――ひどすぎますね。

細山 そのインターナショナルスクールは、親同士が寄付金の額で争うようなところもあって、校長先生もかなり拝金主義的なところがありました。

 かつ、いじめっ子たちはエリート家庭の子が多く、寄付も何百万単位でしてるようだったので、推測に過ぎないんですけど、お金や力のある家庭の方を守ったのかなと、後から思いました。

 僕は小学校時代、いろんな事情で4つの学校に通ったんですけど、すべてのインターナショナルスクールが拝金主義だとか、いじめを黙認したわけではなくて、僕が通った1校はそうだった、ということです。

2025.09.02(火)
文=小泉なつみ