とにかくリアリティしかない

──社労士という仕事を全く知らない人にこのマンガをお薦めするとしたら、どうされますか?

山中 1巻を読んだだけでも、社労士の仕事が手に取るようによく分かるんです。「社労士ってどういう仕事?」ってよく聞かれるんですが、説明するのが難しいんです。そんな時、「これ読んでみて」と自信を持って言えますね。「社労士って何?」という方がいたら、とりあえずこれをお薦めします。社労士の立場から見ても、とにかくリアリティしかありませんから。

──ちなみに社労士には、試験に合格した「資格保有者」と、実際に社労士登録をしている「登録社労士」があり、山中さんは「資格保有者」と聞きました。

山中 社労士登録というのは、自分が所属する、もしくは働く所在地の都道府県の社労士会に登録をすることです。登録することで、いわゆる社労士バッジがもらえて、自分の事務所を持つことができます。資格保有者だけだと、「社労士です」と名乗ることはできないんです。

 登録するには2つの条件から選べることができ、1つは実務を2年間積むこと。もう1つは「事務指定講習」という3、4ヶ月で終わる講習を受けることです。この講習を受けると2年分の実務を積んだと見なされ、社労士登録をすることができます。

──山中さんは2年間の実務経験の方を選ばれたわけですね。

山中 はい。社労士の資格を目指して勉強したのですが、1回目の試験で不合格になり、「今のままじゃダメだ」と思って、現在勤めている社労士事務所を探し、働きながら1年間勉強しました。その過程で、1年間労務に携わっても、勉強することがまだまだたくさんあることを実感しました。このままでは一人前じゃないなと感じたので、2年間しっかり実務を積もうと思い、実務経験の方を選びました。

──ご自身の社労士登録はいつ頃のご予定ですか?

山中 2025年10月1日付けで登録をする予定です。なので、今年中には社労士のバッジを受け取ることができると思います。

──ちみなに、マンガはよく読まれるのですか?

山中 最近は読む回数が減ってしまったんですが、元々マンガが大好きだったんです。なかでも好きな作品は、峰倉かずや先生の『最遊記』ですね。あとは『名探偵コナン』や『BLEACH』とか『HUNTER×HUNTER』とか、少年マンガ系が多かったです。ただ、最近はどうしても社労士関係の知識をインプットするのが大変で、「マンガを読もうか、参考書を読もうか」となると、参考書の方を手に取ってしまうことが多いので、少しご無沙汰しています。

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やまなか・あやか

高校で軽音楽部に入り、ドラムを始める。2013年、所属事務所内で結成されたバンドに加入。15年、メジャーデビューし、5枚のアルバムをリリース。21年、バンド脱退を表明。23年、社会保険労務士の国家試験に合格。現在、社労士事務所に勤務しつつ、ドラマーとして活動している。

元Mrs. GREEN APPLEの山中綾華が語る「ドラム一筋の私が超難関の国家試験に合格できた《理由》」〉へ続く

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2025.08.23(土)
文=文春コミック