【避けたいランチ3】中華料理

 中華料理は、揚げ物だけでなく、炒め物も食材を事前に油通しするため、油をたくさん使います。鍋を高温に熱して、短時間で手ぎわよく火を通す料理人さんの姿を見ると、ほれぼれしますね。

 全体的にこってりとしてご飯が進む味つけになっているので、脂質が多くても、ペロリと平らげてしまいます。

 軟水に恵まれ、茹でる、煮る、だしを取るなど、素材のうまみを引き出す調理法が発達した日本に対し、中国大陸は硬水の地域が大部分です。

 そのため、中華料理は水を使わない蒸し料理か、それができない食材に関しては、油を使う調理法が中心になったという説があります。

 できあがった料理一皿に含まれる脂質はというと、麻婆豆腐が27.0グラム、青椒肉絲(チンジャオロース)22.3グラム、回鍋肉(ホイコーロー)19.4グラム、海老マヨ18.4グラムですから、相当なものです。担々麺は麺込みで37.0グラム、あんかけ焼きそばは36.5グラムです。

 厚生労働省が提唱する、1日の脂質摂取量の目安は、カロリー総摂取量の20~30パーセントです。カロリー総摂取量は、年齢や性別、身体活動量によって異なりますが、身体活動量が中等度であれば、成人男性の脂質摂取量の目安は1日あたり75グラム前後、成人女性は56グラム前後です。

 つまり、麻婆豆腐一皿で1日の脂質摂取量の2分の1~3分の1になり、あんかけ焼きそばなら、3分の2~2分の1になるわけです。

 糖質も無視できません。ラーメンに炒飯をつけようものなら、一発アウトです。

2025.08.26(火)
文=奥田昌子