この記事の連載
- 赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み #01
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昼からお酒を楽しむ面々で満席!
冬の昼下がり。木枯らし吹く大船の街をよそに今日は飲むぞ~! というお客さんですでに満席。すごい熱気。圧倒されすぎないようにマイペースで飲まないと、と自分に言い聞かせるも、お隣のテーブルが気になってしまう。つまり、人が頼んでいるものが気になってしまうんです。おいしそうだと、すぐ「それなんですか?」と聞いて追加注文してしまうから、いつまでたっても飲み終わらないということに。
今日も店内は、いい感じのおじいちゃんチームとおばあちゃんチーム、早上がりしたような会社員の方のひとり飲み(男性も女性も)など、バラエティにとんだお客さまがギュギュウでした。
鎌倉好きならご存知の方も多いと思いますが、かつてこちらのお店はもらい火によって全焼してしまい、地元はもちろん、ファンの方たち(私も!)がそれはそれは悲しみ、がっかりしたという過去がありました(ぽっかりあいた更地になった土地の前で拝んでいる人を見かけたこともありました)。が、数年後、見事に復活。みんなどんなに嬉しかったことか。それもこれも女将と弟さんの努力の賜物。
気さくで明るい女将の話によれば、その昔、この魚屋さんはおじいちゃんとおばあちゃんが駆け落ちして始め、その後に魚が名物となるこの食堂を併設したのだそう。なるほど、駅前の食堂が地元の方にも、観光客の方にも愛されるのは、そんな熱い想いと共に生まれたお店だったからなのか~と、納得。そして、その想いは今もなお、四代目となる女将さんたちに引き継がれ、今日も威勢よくお店を切り盛りされていました。
最後に。ガラガラと扉を開けたら席に座る前に、レジ前のホワイトボードのチェックをお忘れなく。ここに、見落としちゃならない本日のおすすめがズラリと並んでいますので。うっかり見落としていると、お支払いのときレジ前で「あー、カキフライも白子ポン酢も食べたかったー」と、私のように悔しい思いをすることになりますからね~。
次回は、本日の煮魚(この日はめばる、カレイ、鯛の3種)にプラス400円で定食にできるものを注文したいと思います。煮汁がつまみにもなるので一石二鳥! と、ホワイトボードを見るだけで、また今度飲むことを考えてしまう自分が怖い。
活魚料理かんのん
所在地 神奈川県鎌倉市大船1-9-8
電話番号 0467-45-1848
営業時間 11:30~20:00(19:00L.O.)
定休日 水曜、不定休
赤澤かおり(あかざわ・かおり)
料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)、編著に「いざ、豊島屋」(KADOKAWA刊)。
Instagram @kaoriakazawa.akalohasunny
Column
赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み
鎌倉で暮らしながら、料理編集者として飛び回る毎日を送る、赤澤かおりさん。どんなに忙しくても赤澤さんが元気いっぱいなのは、地元・鎌倉でお酒を飲む時間。このシリーズでは女性のひとり旅も多い鎌倉で、「ひとり飲み」に優しいお店をご紹介します!
2024.12.08(日)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美