香港映画歴代観客動員数No.1に輝いた『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』に出演。今や「全民老公(香港の国民的夫)」と呼ばれる絶大な人気を誇るテレンス・ラウが、「香港映画祭2024 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」で公式初来日。
過去にレスリー・チャンを演じたキャリアも持つ彼がアーティステイックな一面を披露するほか、ベールに包まれた私生活についても、CREA WEBに独占で語ってくれました。
アスリートを諦め、舞台俳優の道へ
――映画祭では『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(24年)のほか、『スタントマン』(24年)、『贖罪の悪夢』(24年)という3本の出演作が上映されました。
3作も上映されるなんて、数年前の自分には、まったく想像できない状況です。とても嬉しいですし、光栄なことだと思います。
僕は昔から北野武監督の『あの夏、いちばん静かな海。』や是枝裕和監督の『海街diary』といった日本映画が好きなんです。そして、普段はお会いすることができない日本の観客のみなさんと近距離で交流することもできて、とても楽しかったです。
――小学生から学んでいた水泳など、将来アスリートを目指していたテレンスさんですが、俳優を目指すことになったきっかけは?
縁といいますか、運命といいますか、中学2年のときに膝をケガしてしまったんです。その後、友だちの勧めで演劇部に入部したところ、役を演じるということが楽しくなりました。
その後、大学受験に失敗し、落ち込んでいたときに、また別の友だちの勧めで、香港演藝學院に進学することを決めました。
――多くの有名俳優を輩出した香港演藝學院戲劇學院を卒業後、舞台俳優として、いろんな劇団の公演に客演されます。そんななか、映像の世界に入ることになるきっかけは?
もともと映画は好きでしたが、演藝學院では舞台演劇について学んでいたこともあり、映像の世界に行こうという気持ちは一切ありませんでした。とはいえ、日本と同じく舞台だけでは食べていけないので、モデル活動を並行させながら生計を立てていました。
そんなとき、16年に「前度」という舞台に出演したのですが、この作品はダヨ・ウォンさんとファラ・チャンさんが出演していたこともあり、映像業界の方が多く見に来てくださったんです。その中に、僕を気に入ってくださった方もいて、これを機にTVドラマにも出演するようになりました。
2024.11.24(日)
文=くれい 響
写真=榎本麻美