UFOの街、羽咋では宇宙人が博物館でアルバイト!?
千里浜なぎさドライブウェイと併せて立ち寄りたいのが、「コスモアイル羽咋」。宇宙を実際に旅してきた本物の宇宙船が展示されている、宇宙科学博物館です。
そしてここに時折、みどり色の宇宙人サンダーくんも出没します。サンダーくんは地球へ観光に来ていたところ、UFOが故障して千里浜に不時着。目下、帰還のためにUFOの修理代を稼ぐべくアルバイトをしています(という設定)。
館内の宇宙科学展示室には、旧ソビエトのヴォストーク宇宙カプセルや、米国のボイジャー惑星探査機、アポロ司令船など、「どうしてここに?」と驚きを隠せないような本物が展示されています。
コスモアイル羽咋の営業主任、高野誠明さんにお話をうかがうと、実は、長いストーリーがありました。
羽咋市の名刹、氣多大社の歴史を伝える書物に、どうもUFOではなかろうかと思える一文があり、“UFOのまち”としての町おこしを構想。予算0円からのスタートだったそうです。
熱意と情熱で各方面に働きかけ、平成2年には「第1回宇宙とUFO国際シンポジウム」を開催。NASAやロシアから本物の宇宙飛行士も訪れた、世界的なイベントがこの羽咋市で!
続いて、宇宙に関する博物館の建設を目指しました。指示を仰いだのは米国スミソニアン博物館の学芸員。そして学芸員からの言葉にショックを受けることに……。日本には本物の博物館はひとつもない、レプリカを置いていては、本物の博物館ではない、と。
そこで、発奮。小さくても、本物を展示する博物館にしようと、あちこち駆け回り、交渉し、平成8年に実現したのが、このコスモアイル羽咋。
「来館者の多くが、最初はレプリカだと思っているものが、実はリアル。こういった都会ではない田舎の博物館でも、本物の展示物が揃っていることに感動していただいています」
砂浜を走行できるドライブウェイに、本物の宇宙船を展示する“UFOのまち”。羽咋は熱い思いで、願いを叶える街のようです。
千里浜なぎさドライブウェイ
●アクセス 金沢駅から車で約40分
取材協力
羽咋市商工観光課
Column
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2024.11.02(土)
文・撮影=古関千恵子