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山道は苔&きのこのパラダイス。坂は緩やかでサクサク登れる

 美濃戸口登山口を発ってほどなく、北沢・南沢と記された道標が。2つの分岐を北沢方面へすすみ、しばらく緩やかな林道を登ります。紅葉の時期になると両脇に並ぶカラマツが色づき、辺り一帯が黄金色に輝くのだとか。林道を抜けたら、いよいよ本格的な山歩きへ!

 急登はなく、緩やかなトレイルが伸びる北沢ルートは歩いていて心地がいい。もりもり茂る原生林の足元は苔むしていてどこか神秘的。可愛らしいきのこもそこかしこに顔を出しています。

 硫黄岳は雪山シーズンにしか登ったことがないという西原さんも「八ヶ岳らしい苔の世界を見ることができてうれしい」とご満悦です。

 トレイルの脇には勢いよく北沢が流れ、爽快なせせらぎに心も洗われます。

 ちなみに、その豊富な水源をグリーンシーズンの小屋の電力発電に利用しているのが、これから向かう赤岳鉱泉。衛生的に使える水洗トイレを維持するための給電も、北沢の水力発電でまかなっているそう。山のトイレ事情が気がかりな女性にとっては、まさに“恵みの沢”なのです。

2024.10.12(土)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也