卵にこだわったボーロが誕生
「たまごボーロのメーカーは、全国に4社。ルココのたまごボーロを作っているのは、私と主人の大学の後輩が営む国内生産第2位のメーカーです。初の専門店を開くにあたり、まず、お祝いや大切な方へのギフトに使ってもらえるような、特別な材料で今までにないボーロを作ろうと決めました。
卵は、平飼いの鶏のものや餌にこだわったもの、烏骨鶏のものまで。砂糖は、黒砂糖をはじめ色々と。馬鈴薯でんぷんもピンからキリまで。次々に作っては食べ比べをして、プレミアムボーロを完成させました」と、代表の藤原麗さん。
通販が勢いに乗りはじめた2013年頃のこと。ネットショップや通販事業の経験のあるご主人との共同経営で、2014年に「たまごボーロ専門店」としてネットショップをスタート。
「プレミアムの次は、子供が卵、牛乳、小麦粉のアレルギーで、どうしてもアレルギー原料28品目不使用のボーロを作りたかった」と藤原さん。淡緑色のパッケージのそれには、鉄分、カルシウムも配合して、サプリメントとしても最適なお菓子にしたと、藤原さんは言います。
食べてみると、卵が入っていないのに、たまごボーロと同じ優しい風味とカリコリした食感。卵を使っていないボーロと知らずに食べてもおいしいのです。アレルギーの方はもちろん、誰が食べても安心のおやつ。
店内奥の厨房では、スタッフがクッキーやシフォンケーキを作っています。ウサギやハリネズミ、自動車の形のサクサク食感のクッキー、ふわふわ、むちむちのシフォンケーキなど、どれもシンプルな材料で無添加。手仕事でていねいに作られています。そんな安心のおやつを求める客が、遠方からも訪れるのだそう。中でも、いちご味のボーロを使った花形のクッキーが、たまごボーロのお店らしくて素敵。
「愛情あふれる手作りにこだわって誕生したのが、メレンゲボーロ。材料は、卵白と馬鈴薯でんぷん、砂糖だけ。お菓子作りのスタッフと開発したんです」と藤原さんはにっこり。
小さく絞って焼き上げたものを乾燥させ、たまごボーロと一緒にギフト缶に詰めて販売。カラフルなメレンゲだけでなく、たまごボーロを使ったクマのメレンゲが2個入っていて、とても愛らしい。可愛くて食べられない!
たまごボーロを使った「たまごボーロアイス」も、お店を訪れたら、注文したい一品。たまごボーロの食感と優しい味わいがアイスクリームと一緒に楽しめます。
「たまごボーロ専門店として、ネットショップで全国から注文いただき、イベント出店などでも知ってもらえるようになりました。実店舗は最寄り駅から遠い住宅街にあります。2022年にリニューアルした際、豊穣や愛を司るメソポタミアの女神・イシュタルにちなんで『イシュタルの台所』とネーミングしたお店。子供が小さくて仕事がしにくいご近所の女性たちや、地域でがんばっている様々なお店のヘルプができる場にしていきたい」と藤原さん。
プレミアム材料を使ったものやアレルギー対応のたまごボーロが時代の求めるおやつとして生まれたように、これからも新しい何かがここから誕生するかもしれませんね。
たまごボーロ専門店Le Coco(ルココ)
所在地 大阪府枚方市長尾元町7-4-20 イシュタルの台所
電話番号 072-865-6767
営業時間 11:00~17:00、土曜は11:00~16:00
定休日 水・木・日曜、祝日
Instagram @tamago.bolo
https://tamagobolo.com/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2024.10.13(日)
文・撮影=そおだよおこ