この記事の連載

シライの老舗ベーカリーで朝食を

 シライ市は、バロコド市街から北へ車で30分ほどの街。スペイン統治時代の風情が残るのんびりとしたエリアで、いくつものヘリテージハウスが残り、老舗のレストランも点在しています。

 1920年創業の「エル・イディアル・ベーカリー」は、食事パンだけでなく、さまざまなペストリーが人気。遠方からもたくさんのお客さんが訪れます。フィリピンは東南アジアで唯一スペインの植民地だったため、パンやスイーツがおいしいお店が多いのだとか。

 名物は、フィリピンの果物グアップル(りんごに似た味のグアバ)を使ったパイ(1ピース150円くらい)。サクサクのクランブルの下に、甘酸っぱくねっとりとしたグアップルのフィリングがたっぷりと入っていて、アメリカのカントリースイーツを思わせる素朴なおいしさです。

 店内のイートインメニューもかなり魅力的。フィリピンのローカルフードがバラエティ豊かに揃います。肉や魚のおかずと目玉焼き、ご飯がのった定食プレート「シログ」から、スペイン風のグリル料理や煮込み、中国風の麺料理やスープ、アメリカ風のハンバーガーやサンドイッチと、この国の歴史を反映したダイバーシティ的ラインナップ。こんなお店が近所にあったら、通ってしまいそう。

エル イディアル ベーカリー EL IDEAL Bakery

https://www.facebook.com/profile.php?id=100063493076960

2024.07.04(木)
文・写真=伊藤由起
協力=フィリピン政府観光省、shifumy(江藤詩文)
写真協力=Kazuki Kei Kiyosawa