この記事の連載

やさしい味のローカルスイーツ

 甘いものは別腹、ということで訪れたのが「クアン デリカシーズ」。バコロド市を中心に多くの食料品店を手掛ける、クアン(QUAN)グループのお店です。カジュアルなカフェ風の店内では、さまざまなローカルフードのほか、バラエティ豊かなフィリピンスイーツが食べられます。

 キャッサバのケーキや、甘いルンピア(春巻き)、もち米を使った蒸し菓子プト、豆を包んで揚げたエンパナーダなどの伝統菓子は、いずれも昔ながらのレシピでつくる素朴な味わい。激甘なものもありますが、これが慣れるとクセになってくるので、食べ過ぎ注意です。

クアン デリカシーズ QUAN Delicacies

https://www.facebook.com/profile.php?id=100064571414712

ネグロス島の名物ピアヤ

 ピアヤ(Piaya)は、ネグロス島でつくられるマスコバド糖の入った、お焼きのようなお菓子です。島内にはたくさんのピアヤを売るお店がありますが、もっとも人気が高いお店のひとつが1960年代創業の「クリスピー ピアイータ(バイロンズとも呼ばれる)」。

 昔と変わらぬレシピ、製法でつくられるピアヤは、1日1100枚限定(1袋10枚入りで340円くらい)。一般的なピアヤに比べて皮がとても薄くパリッとした食感で、とろっと甘いマスコバド糖とのバランスが絶妙なのです。

 お店の奥にある工房を見せてもらうと、中央に大きな焼き台があり(いまはガス火ですが、その昔は薪を使っていたそう)、職人さんが丸く延ばした生地をフリスビーのように投げ入れ、もうひとりの職人さんが上下を返しながら焼いていました。つまり、完全な手作業で、1日につくられる数に限りがあるというのも納得です。

クリスピー ピアイータ Crispy Piayita Inc.

https://www.facebook.com/crispy.piayita/

老若男女が集まるカフェのケーキ

 フィリピンのスイーツは伝統的に甘みが強いものが多いのですが、近年では地元の人も「甘さ控えめ」を好む傾向があります。「カレアペストリーズ&コーヒー」のケーキは、そんなニーズを反映しているようです。

 まず、ケーキの種類がとにかく豊富! 看板メニューのチョコレートケーキだけでも5種類あり、ほかにも20種類ほどのケーキがショーケースに並んでいます。どのケーキも1ピース300円前後。あれこれ頼んでシェアし合うのも楽しそうです。

 人気のケーキ屋さんということでお客さんは若い女性ばかりかと思いきや、3世代のファミリーで来ている方も多く、色とりどりのケーキを食べながら老若男女がワイワイ。フィリピンらしい賑やかなムードもこのお店の魅力です。

カレア ペストリー&コーヒー Calea Pastries & Coffee

所在地 15th st, Balay Quince,, Bacolod, 6100 Negros Occidental
電話番号 +63 34 435 8413

【協力】

フィリピン政府観光省 https://philippinetravel.jp/

次の話を読む【未知なるフィリピン美食新時代③】 ジャングルを抜けてたどり着く ネグロス島のファインダイニング

← この連載をはじめから読む

2024.07.04(木)
文・写真=伊藤由起
協力=フィリピン政府観光省、shifumy(江藤詩文)
写真協力=Kazuki Kei Kiyosawa