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 フィリピンのエルニド諸島には、「エルニド リゾーツ」と総称される同経営のアイランドリゾートが3軒ある。パラワン州のメイン島、パラワン島の空港からスピードボートで約25分、前回ご紹介した「ミニロック アイランド」からは15分ほどの場所にある「パングラシアン アイランド」は、3軒のうちでもっともラグジュアリーなリゾートだ。エコ・ラグジュアリーというコンセプトを掲げているだけあって、ラグジュアリーでありながら環境に配慮したリゾートとなっている。

 ミニロック島が海面からそそり立つような急峻な地形なのに対し、パングラシアン島は白砂のビーチに囲まれたなだらかな地形の島。島の中央には小高い丘があり、その周囲は美しい白砂のビーチに縁取られている。メイン棟(クラブハウス)の目の前には広々としたビーチ、そこから島の南側と北側にロングビーチが続く。南側のロングビーチ添いの緑の木陰には、客室ヴィラが立ち並んでいる。


 メイン棟にはレセプション、レストラン、バー、ショップ、ライブラリー、クリニックなどがあり、島の南側のビーチに沿って西に行くと、スパ、ジム、エコセンター、真水のプールなどがある。どの建物も緑の中に点在しているので、真昼でも木陰が多く、プライバシーも守られている。

 客室棟は、フィリピンスタイルを生かしながらデザインされた42棟。客室のカテゴリーは、緑の中のキャノピーヴィラ、ビーチに面したビーチヴィラ、プライベートプール付きのプールヴィラ、そしてサラ(東屋)があるスイートルームのカラウヴィラの4種類だ。キャノピーヴィラ以外は、建物自体は同じサイズとなっている。

 客室内にはヤシの葉で編まれたバッグや帽子が配され、アメニティもすべてヤシの葉製の小さな容器に入っている。ペットボトルは一切使われることがなく、飲料水は備え付けの水筒で持ち歩く。プラスチックゴミは、日本に持ち帰るか、分別して専用の袋に入れてゴミ箱の横に置くスタイル。可能な限り環境に負荷をかけない工夫がなされている。

 チェックイン時に、外出時には必ずドアを閉めるよう注意喚起がある。野生のサルが室内に入ってしまうからだとか。それほど自然豊かな島なのだ。

2023.10.15(日)
文・撮影=たかせ藍沙