エミレーツ航空には2種類のファーストクラスがある。以前ご紹介した成田発着便に使用されているA380型機と、羽田発着便に使用されているB777型機だ。往路と復路で異なる機材を選べばどちらも楽しむことができる。

 今回はB777型機に搭載されている最新型のシートをご紹介しよう。「ゲームチェンジャー」と名づけられたシートは、A380型機の14席に対し、たったの6席のみ。天井まで仕切られたドア付き完全個室のシートで、よりラグジュアリーでパーソナルなフライトを楽しむことができる。

ラウンジを心ゆくまで楽しむなら早めのチェックインがおすすめ

 まずは、ドバイのファーストクラスラウンジから紹介しよう。エミレーツ航空専用のターミナル3には、ラウンジが3箇所ある。ターミナル3だけでもかなり広いので、コンコースA、B、Cのそれぞれにラウンジがあるのだ。3箇所ともホッピングしてもいいのだけれど、移動だけでけっこう時間がかかる。トランジットなどで長時間滞在する場合ならともかく、1箇所の利用がお勧めだ。

 3つあるファーストクラスラウンジのうち、コンコースCのラウンジは小さいので、あれこれ楽しみたいならコンコースAかBがお勧めだ。日本発着便はコンコースBなので、Bが便利。前述の通り、隣のコンコースまででも、歩くとかなりの距離になるからだ。

 コンコースCにあるラウンジは、私がファーストクラスで世界一周した際にご紹介した。カンタス航空に乗る前に利用した、こちらのラウンジだ。中央に吹き抜けがあって、ビジネスクラスとファーストクラスが別階にあり、どちらのラウンジからも搭乗口に直接エレベーターで降りることができる造りになっている。コンコースCのフライトならギリギリまでくつろぐことができる。

 コンコースBのラウンジは、ファーストクラスとビジネスクラスのラウンジの入り口が向かい合っていて、ビジネスクラスラウンジにだけある、「モエ・エ・シャンドン」を4種類飲み比べできるシャンパンバー(次回でご紹介)にも自由に行くことができる。

 ラウンジ入り口でファーストクラスのボーディングパスを見せて中に入ると、まずは癒やしの水辺があり、ソファ席へと続く。マッサージルーム、プレイルーム(キッズルーム)、クワイエット・ルーム(仮眠室)、シャワールームなどが並び、その奥にはダイニングスペースも。成田のラウンジにも噴水があるが、ラウンジ内に水があるのは心地良い。更に奥に行くと、より静かなソファ席やシャンパンやワインを揃えた免税店などがある。

 ダイニングスペースはかなり広く、中央のキッチンの手前と奥にずらりとテープルが並ぶ。メニューから選んでオーダーすることもできるが、自分でお皿に取り分けるビュッフェコーナー、お皿に盛り付けられた一品料理のコーナー、鮨職人(日本人ではない)が鮨を握ってくれる日本食コーナーなどがある。

 日本までのフライトは、羽田便は朝で、成田便は深夜発。早めに空港に行き、軽く食事をして、食事をしている間に靴を磨いてもらって、深夜便であれば仮眠を取り、シャワーを浴びてから搭乗すると、機内でも快適に過ごすことができる。今回ご紹介するB777型機のファーストクラスは、シートは最新型だがA380型機のようなシャワーはないからだ。

 では、どのくらい前に空港に行くべきなのか。ドバイ国際空港は24時間稼働していて、ラウンジには24時間前から入ることができる。実質1泊できてしまうのだが、ラウンジ内にベッドルームはない。

 

 

 長時間利用したい人のために、仮眠スペースについてもう少し。今回ご紹介しているコンコースBの仮眠室のデイベッドはゆるやかにカーブしていて少し硬め。足が下がるのでむくみやすい。寝心地で比べると以前ご紹介したコンコースCの仮眠室のデイベッドがベターだが、こちらも個室ではない。エミレーツ航空ファーストクラスに搭乗する皆さんは、長時間のトランジットの場合は近隣の高級ホテルに泊まるという設定なのかもしれない。

 仮眠についてはさておき、ドバイの滞在時間をぎりぎりまで現地で過ごすか、早めに空港ラウンジに行くかは迷うところ。いずれにしろ、ラウンジであれこれ楽しみたいなら、時間に余裕をもって早めに空港に向かいたい。

2023.06.06(火)
文・撮影=たかせ藍沙