航空業界の革命的シート「ゲームチェンジャー」の凄すぎる全貌!

 エミレーツ航空の羽田発着便、B777型機のファーストクラスは6席のみ。前述の通り、既にご紹介済のA380型機には14席あるが、今回紹介するB777型機には6席だけ。B777型機は、総2階建て全489席のA380型機と比べると、2階はなく席数も354席とややコンパクト。機内にシャワールームやバーラウンジはないが、シートは世界トップクラスのラグジュアリーな造りになっている。

 ファーストクラスは、1−1−1という配置で2列の6席。各シートは床から天井まですっぽり覆うドアが付いていて、閉めると完全に個室になる。もはやシートというよりも個室と呼びたい設計だ。

 淡いベージュを基調としたインテリアに手触りのいい柔らかな革張りのシート。どこかで見たことがあるかもしれない。あの「メルセデス・ベンツ」とタッグを組んでいるのだ。最先端のタッチパネルやムード照明も同様に「メルセデス」スタイル。私は乗ったことがないのでよくわからないけれど(笑)、高級感が半端じゃないことだけはよくわかる。

 革新的な技術も各所に生かされていて、例えば、窓がないはずの中央のシートにも、左右の窓側席と同様に窓がある。ブラインドを開けると、そこにはなんと、リアルタイムの外の風景がビデオで映し出されるのだ!

 その他にも、特大モニターの両脇にミニバーがあったり、クローゼットの扉は身だしなみを整えることができる姿見になっていたり、食事用の大きなテーブルは、モニター前のテーブル下から引き出すことができたり、ムード照明は10色を様々な組み合わせにすることができたり。果ては床にまで照明が仕込んである。機能を覚えるだけでたいへんだ(笑)。

 ロングフライトなのに、間もなく着陸というアナウンスが入ると、もっと乗っていたくて名残惜しくなってしまう、夢のようなフライトだった。

2023.06.06(火)
文・撮影=たかせ藍沙