この記事の連載
- 中鎖脂肪酸 #1
- 中鎖脂肪酸 #2
●どういう時に摂る?
では、中鎖脂肪酸の油はどういう時に摂るのがオススメなのでしょうか。
「中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーになるのが特徴です。ダイエット中などに食事の量を控えているとお腹が空いて甘いものが欲しくなりますが、こういう時に中鎖脂肪酸を摂ると空腹感を和らげられます。また、少量で多くのカロリーが摂取できる(同じ重さで糖質やたんぱく質の2.5倍のカロリーがある)ので、食欲が落ちた時に飲み物に加えるという使い方もお薦めです。実際、中鎖脂肪酸は食事を十分に食べられなくなった高齢者の栄養補助食品にエネルギー源としてよく用いられています。
さらに、体の中で中鎖脂肪酸の一部がケトン体に変わるのですが、これがアルツハイマー型認知症やてんかんなど脳や神経の病気の症状改善に役立つ可能性があります。ただしケトン体は糖質を摂っているとあまり作られなくなるので、ケトン体を増やすことを目的とする場合は、砂糖やブドウ糖、ご飯やパン・麺類などの炭水化物を控える必要があります」
また、すぐにエネルギーに変わる性質は、ボディメイクだけでなく、アンチエイジングなどにも利用できるとか。
「アンチエイジングや認知症など老化に関連する病気を予防する体の仕組みである長寿遺伝子は、血糖値が低い時間を一定以上確保することによって活性化しやすくなります。このため、私は睡眠時間を含め、1日12時間のファスティングを行うことをお薦めしているのですが、空腹が我慢できない人や、低血糖になりやすい人は、中鎖脂肪酸のすぐにエネルギーに変わる性質を利用すれば、無理なくファスティングを続けることができます」
「たとえば夜の食事が遅くなる場合は、炭水化物を控えてたんぱく質と野菜中心の食事にするのがお薦めですが、物足りない人はそこに中鎖脂肪酸の油を加えたり、豆乳にココナッツオイルを入れて飲んだりなどすると、血糖値をあまり上げずに満足感を得られやすくなります。また、朝一番のコーヒーにMCTオイルを足すと、脳へすぐにエネルギーが補給できるので朝からしっかりと動き出せますよ」
中鎖脂肪酸の効果を実感するためのより具体的な摂り方とオススメレシピについては、引き続き今野先生に教わりながら、次回ご紹介していきます。
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Column
にらさわあきこの日々是実践美容道
新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。
2024.06.23(日)
文=にらさわあきこ