この記事の連載

<おいしさのコツその5>

自信がつくまでは“試し揚げ”をする

――あとは揚げるだけ! ですが、やっぱりそこが自信がなくて……。生揚げもイヤだし、生を怖がりすぎてつい揚げすぎてしまったりします。

 いろいろな本にも「音が高くなったら」とか「持ち上げて軽くなったら」などコツが書いてありますが、その変化がよくわからないというお悩みも聞きます。

 なので、慣れないうちはまずひとつ揚げてみるのが大事。泡の様子や箸でさわった感じで「そろそろかな」と思ったら引き揚げます。油をきっている間も火が通るので少しおくのもお忘れなく。

 最初にも言った通り、揚げ物は場数。慣れて感覚をつかんでください。日々のごはんにはもちろん、お弁当のおかずにもしてみても。粉の割合はお好みで調整してみてくださいね。

冷めてもおいしい鶏の唐揚げ

■材料(3~4人分)

・鶏もも肉:2枚(約500g)
※鶏手羽のスペアリブで作ってもおいしいです。

醤油味用の下味
・酒、しょうゆ:各大さじ1
・おろしにんにく、おろししょうが:各小さじ1

塩味用の下味
・塩:適量(肉の重量の1%)

・片栗粉・薄力粉:各適量(同量ずつ)
・揚げ油:適量

■作り方

(1)鶏肉はペーパータオルでしっかり水けをふきとる。余分な脂と筋を取り除き、ひと口大に切る。

(2)半量の250グラムを食品用保存袋に入れ、醤油味の材料を入れる。袋の上から手でよくもみ、冷蔵庫で20分ほどおく。

(3)残りの半量も食品用保存袋に入れ、塩を加えて同様によくもみ、冷蔵庫で20分ほどおく。

(4)バットに片栗粉と薄力粉を同量ずつ合わせ入れる。

(5)(2)と(3)に(4)をていねいにまぶしつけ、余分な粉を落とす。

(6)鍋に揚げ油を2.5センチ深さくらい入れ、170度(菜箸を入れると大きめの泡がゆらゆらと上がる)に熱する。(5)をまずは1つずつ揚げてみる。コツがわかったら残りを揚げる。スペアリブの場合も同様に揚げる。

飛田和緒(ひだ・かずを)

料理家。東京都生まれ。神奈川県葉山で海と山に囲まれ、家族とともにのんびり暮らしている。地元の野菜や魚など、地域の産物と季節のものをこよなく愛し、おいしくいただくことに専念している。日々の暮らしが楽しくおいしくなる常備菜、保存食作りが得意。ライフワークともいえるみそ作りは年々熱が入っている。主な著書に『みその本』(KADOKAWA)、『ごはんできたよ!今日、何作ろう!?何食べる!?ある日の献立、つまみとおかずとごちそう、〆も一五〇品』(朝日新聞出版)、『お餅の便利帖』(東京書籍)などがある。

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2024.04.24(水)
文=赤澤かおり
撮影=榎本麻美