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●かなり鋭利で面白い「カルト映画」の誕生

――劇中の見せ場のひとつといえるのが、伊勢谷友介さん演じる岩森の恋人を殺めた溝口との掛け合いです。

 伊勢谷さんとは、今までお会いしたことがなかったんですよ。久々の復帰作ということで、エンジンをかけてもらうため、「これって、どう思います?」って聞くことで、必要以上に焚きつけさせてもらいました。

 これは全スタッフに向けてもそうで、監督がワンマンだったり、「今日のスケジュールを消化できればいい」と思うような現場にはしたくなかったんですよ。なので、座長というか主演の立場から、みんなが自由に発言できる空間を作りました。それによって、一時間現場が止まったりもするんですが、その方が絶対、面白い映画ができると思うんですよね。何度も何度も、伊勢谷さんを殺さなきゃいけないのはしんどかったですけど(笑)

――本作を「カルト映画」と認定されたそうですが、その理由は?

 観終わった後、塚本晋也監督の『鉄男』を初めて観たときの感覚になりつつ、「普通の日本映画が大好きな方に、到底受け入れられるものではないな」と思ったんですよ(笑)。

 でも、自分が読んだ台本を遥かに超えて、かなり鋭利で面白いものに仕上がっていたんです。上から目線じゃないですけれど、これだけ娯楽が増えている時代に、今までない手触りだったり、毛並みを持った『ペナルティループ』という作品が投げ込まれたときに、お客さんがどういう反応を示すんだろうっていう興味は、すごくあります。

2024.03.22(金)
文=くれい響
撮影=今井知佑
スタイリング=タケダトシオ(MILD)
ヘア&メイク=FUJIU JIMI