●ほかのメンバーに支えられた8LOOMとしての活動

――そして、最近の転機ともいえるドラマ「君の花になる」についても伺います。俳優として、劇中のボーイズグループ・8LOOMのメンバー、「ゆき兄」こと古町有起哉を演じつつ、実際にライブなど、アーティストとしても活動されました。

 僕自身、初めてのプライムタイムの連ドラ初レギュラーでしたし、BTSさんのようなボーイズグループが好きだったので、役として歌えることも嬉しかったです。だから、オーディションを受ける前からワクワクがハンパなかったですし、合格してからもポジティブな気持ちしかなかったです。

 ただ、今もメンバーと会ったときに話しますが、スケジュールなどは、かなり大変でした。通常のドラマの撮影にプラスして、ライブツアーやMVの撮影など、いろいろ重なっていましたから。でも、本当に苦じゃなかったんですよ。眠いとか、身体が動かないとか、そういう大変さはありましたが、メンタル的には本当に楽しかったです。メンバーがあの7人だったからというのもあるんでしょうね。メンバーにはすごく支えられましたし、「ゆき兄」としても、みんなを支えたいなと思ったし(笑)。

 最終回から1年後に、X(Twitterの)トレンドワードになったのですが、こんなに愛していただける作品は、なかなかないことですし、僕の中でいま身近に感じている転機の作品といえますね。

――その後、連続ドラマでは単独初主演となる「恋愛のすゝめ」では、メガネキャラでコミカルな魅力を発揮しています。

 このドラマで、初めて座長をやらせていただいたんですけど、みなさんを支えるというよりも、みなさんに支えてもらうという感覚を得られたんです。この感覚を得たことによって、僕も座長をしっかり支えていきたいと思いました。それを知ることができたのが、大きな収穫でした。

――そして、最新出演映画『違う惑星の変な恋人』では、自分からオーディションを受けられたそうですね。膨大なセリフ量など、普通の作品とは異なることについては?

 この映画は主要キャラが4人いるんですが、僕が演じたモーだけがオーディションでした。そもそも僕は映画の出演作が少なかったんですが、「君花」が終わり、自分の中でもいろいろ意識が変わったときのオーディションだったこともあり、「絶対受かりたい」という気持ちが強くて、気合い十分で挑みました。

 確かにセリフ量は多いですが、この仕事をしていたら、当たり前のことですし、とにかく楽しい現場でした。みなさんとても気さくで、お芝居も自然なんです。いい刺激を受けながら、良い作品にしようという気持ちでやっていました。結果、東京国際映画祭にも出品されて、自分の中で誇れる作品が一つ増えたって思っています。

2024.01.26(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖
ヘアメイク=牧野裕大
スタイリスト=三宅 剛