この記事の連載
- サプリ【前篇】
- サプリ【後篇】
●ミネラルは分子が大きい
まずは、私がミスした亜鉛から。
「亜鉛や鉄などのミネラルは分子が大きいので、空腹時に飲むと胃に負担がかかります。また、必要以上の量を摂取すると、吐き気を催す可能性があります。そもそも亜鉛は、肉や魚介類などの動物性食品に多く含まれるミネラルで、それらを吸収する時や体を作るための酵素として働きます。ですから、亜鉛サプリを取る場合は、動物性たんぱく質と一緒に取るのがお勧めです」
なるほど、亜鉛は食後、しかも動物性たんぱく質と一緒に取るのがいいのですね。
ちなみに、「朝食後か、夕食後か」などについては、「薬ではないので、あまりこだわらなくていい」とのことですが、量については食事内容や、体格、肝臓の丈夫さなどで違ってくるので、専門の医師に相談すべきとのことでした(←ここ、重要!)。
ちなみに私の体験をさらにお伝えしておきますと、私が買った国内メーカーの亜鉛サプリは「鉄とセレンも一緒に入っているタイプ」で、亜鉛の含有量は14mg。海外製のものは亜鉛のみで50mg。海外製のものに関しては、厳密な含有量は見ていなかったものの、「量が多いイメージ」はあったので、包丁で半分に切って一回に飲む量を減らしていました。が、それでも25mg。成人女性に必要とされる1日の亜鉛の含有量は7~8mg。量についてはどうなのでしょうか?
「量は1日に50mg程度飲むこともあるので、海外製のサプリを1粒飲んだとしても多すぎるということはないです。ただ、気持ちが悪くなる場合は何らかの原因があるので、すぐにストップして医師に相談してください」
●鉄は「ヘム」か「非ヘム」を意識する
続いては、鉄。
生理で鉄分が失われがちな女性としては、鉄のサプリも気になるところです。
「鉄も亜鉛と同じく、食後に取ってこそ力を発揮します。ちなみに鉄は、亜鉛と競合する関係にあるので、厳密に言うと、鉄と亜鉛は一緒に取らないほうがいいですね」
競合する関係というのは、「鉄を取ると、亜鉛の吸収が阻害される」という意味だそう。
「とはいえ、『鉄と亜鉛を800mgずつ取った場合、亜鉛の吸収が2mg減る』程度の微量なので、そこまで気にすることでもないのですが、知っておくといいでしょう。また、鉄の取り方では、ヘム鉄か、非ヘム鉄かということをより重視してください」
鉄には、肉や魚などに多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類などに多く含まれる非ヘム鉄があり、吸収率が違うとか。ヘム鉄は吸収率が良く、10%~20%が吸収されますが、非ヘム鉄は、5%程度しか吸収されないそう。よって、非ヘム鉄を含むほうれん草を100g取ったとしても、吸収される鉄はほうれん草100gに含まれる鉄分2mgの5%で0.1mg。一方、豚レバーには100g中13mgのヘム鉄が含まれていて、10~20%が吸収されるので、1.3~2.6mgの鉄分を摂取できることになります。
「鉄分を取りたい場合は、動物性のヘム鉄で取るのが、効率がいいのです」
サプリで鉄分を取りたい場合も、非ヘム鉄ではなく、ヘム鉄から作られたものを選ぶといいそう。また、「鉄のサプリも、肉や魚などの動物性たんぱく質と一緒に取ると吸収が良くなるので、しっかりたんぱく質を取ってから摂取するといいでしょう」とのことでした。
次回は、気になるビタミンサプリとマルチビタミン・ミネラルについて、取り方を教わります。
●教えてくれたのは……
苅部 淳先生
順天堂大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院形成外科に入局。埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科や福島県立医科大学附属病院、寿泉堂綜合病院、山梨大学医学部附属病院など各地にある東大病院の関連医療機関で研鑽を積む。2019年に「麹町皮ふ科・形成外科クリニック」を開業、2021年に2つ目のクリニックとなるビオトープクリニックを白金台駅近くに開業。
●ビオトープクリニック
Column
にらさわあきこの日々是実践美容道
新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。
2024.01.14(日)
文・写真=にらさわあきこ