自分たちで育てる小豆を使う
「琵琶湖の西側にある故郷・高島で小豆を栽培しています」と、ご主人・山川さん。「菓子職人として和菓子の材料である小豆について極めてみたいと、10年程前から自らの手で育て始めたんです」。今年6周年を迎えた自店をオープンする前のことだと言います。
小豆は6月に種をまいて、11月に収穫。「夏は毎週草刈りと水やりです。素材を育ててみてそのたいへんさがわかり、繊細な味わいを損うことのないよう、さらに心を込めてお菓子を作るようになりました」とにっこり。
今では、お店で使用する粒餡の全量を、自家栽培の小豆で賄っています。寒暖差が大きく、湧き水にも恵まれた土地でできた近江高島大納言小豆は、大粒で風味豊か。皮が柔らかいため粒餡でも口溶けがよいのだそう。
さらに、お菓子作りに使う水は、高島市新旭町にある霊薬山・正傳寺の湧き水。比良山系の伏流水が、全てのお菓子をさらにおいしくしているのです。
2023.12.10(日)
文・撮影=そおだよおこ