「いい夫をやめた」発言に傷つきながらも自分も変わった

――そんな覚悟で結婚した中でも、福田さんが「深く傷付いた」と書かれているのが、当時ネットで賛否両論を巻き起こした中田さんの『いい夫やめました宣言』です。

 あれは本当に辛かったですね。それを知ったのが、夫からこういう記事が出るよと言われてではなく、世間と一緒のタイミングで記事になったものを見て初めて知ったので。なんで相談してくれなかったんだろうという気持ちもあったし、それを見た方から「中田はひどいやつだ」とか「こんな仕打ちを夫にするなんてひどい妻だ」とか、いろんな意見を受けたこともセットで、ダメージを食らった感じはありました。

 でも、私が辛い顔をしているのを見て、彼は反省したみたいで、いい夫を辞めるだけで、夫を辞めるわけじゃないからと真剣に話してくれて。彼は夫婦の在り方を見つめ直したい時期なんだなと私自身、納得したんです。

――中田さんのこの言葉は、いま読むと自分はいい夫であろうと頑張るのをやめるから、福田さんもいい妻であろうと頑張らなくていいというメッセージにもとれますよね。

 そうなんですよ。だから最初は傷ついたんですけど、冷静になってみると、私自身も「こういうのがいい妻」「こういうのがいい家族」みたいな理想が頭にあって、そうなれない自分に悩んでいたのを彼に見透かされてたのかなって。私もいい妻を辞めようと思ったんです。

――具体的には、どう変わりましたか?

 生活のことに関していえば、私は料理があまり得意ではないんですが、頑張って一週間分の作り置きを作ってたんです。でも、それをやめて家事も外注したり。それまでは休日に家族で出かける人を見て、羨ましいなって思ってたけど、同じように旦那さんが休日いないママ友と出掛けたりするようになった。そうしたら楽しいし、周りの家庭もそれぞれ違うなとわかって、人と比べて落ち込むことも無くなった。

――誰に言われたわけでもないのに、自分の中の理想像で自分を縛っちゃうことはありますよね。

 そうなんです。子供や夫から求められていたわけでもないのに、自分で自分に点数を付けて落ち込んじゃってた。私が「こういうもの」と思ってた家庭って、自分が育ってきた家庭で。私の母はフルタイムで働きながら子供3人を育てて、田舎なので外食もすることもなく、料理はちゃんと手作りしてたんです。だから、私もそうしなきゃと思い込んでたけど、今思えば私の母も実はいろんな葛藤を抱えながらやってたんだろうし、私が同じようになる必要もないなって。自分を縛っていたものから解放されたのかなと思います。

2023.07.22(土)
文=井口啓子
撮影=三宅史郎
スタイリスト=大瀧彩乃
ヘアメイク=田中裕子