11年一緒にいても、理解できない! と思うところはいっぱいある

――本を読んで、家族がいたからこそ、中田さんもYouTuberに転身したり、海外に移住する決断ができたのかなと感じました。

 どうなんでしょうね。本人も本の中で言ってますが、一人でいると考えがどんどん進みすぎて、アップル製品を全部捨てる、みたいな突拍子もないことになりがちで。たまに子供がパパーって邪魔しにくるぐらいの方が人間として節度を保てるみたいです(笑)。ただ、こうと決めたことは貫く人で。『PERFECT HUMAN』をやるときも、家族に知られるのは恥ずかしいって言わなかったし、最近では松本さんの炎上事件のときも、相談なしで言っちゃってました。

――日本の芸能界を離れても、定期的にネットニュースになってるのが、すごいですよね。福田さんはそのたびにドキドキ?

 そのへんは私もマヒしてきちゃってて、なんかまた燃えてるねーって。乗車したのがジェットコースターだったので、自然に心臓が鍛えられて、毛が生えてきました(笑)。

――中田さんは今回の本の発売にあたって、ご自身のYouTubeで紹介をされてましたよね。安野モヨコさんが庵野秀明さんについて書いた『監督不行届』や、ひろゆきさんの奥さんがひろゆきさんについて書いた『だんな様はひろゆき』を挙げて、「みんなが素敵と思う旦那さんより、大変そうな特殊な旦那さんの本の方が支持を集めそう」とおっしゃってて、お前が言うな! と思いつつ、鋭いなと感心しました(笑)。夫婦の在り方も、みんなが憧れる「理想」を追い求めるよりは、特殊でも楽しそうな方がいいと感じる人は増えていると思います。夫婦円満の秘訣はありますか?

 やっぱり、ちゃんとコミュニケーションをとることですね。11年一緒にいても、理解できない! と思うところはいっぱいあるんです。でも、だからこそ、常に今こういうことを考えてるっていう状況をお互いわかってることは大事だと思います。そうしてると、松本さん事件のように世間からは突拍子もないように見えることも、そういう考えがあってこういうことになったんだね、と納得できる。特に夫は、私と毎日一時間ぐらい話さないと気持ちが落ち着かないみたいです(笑)。

――中田敦彦に振り回されているようで、転がしているのは福田さんの方なのかも。「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』というタイトルにも、福田さんの一周した自信が伺えますね。

 最初は悩んでたんですけど、中田の妻という私も大きな要素で、それも自分だし、自分じゃなきゃできないという自負もあるので。連載の第一回から、いろんなことを経て、改めてこう言えるようになった自分、成長したな! って言いたいですね(笑)

衣装クレジット

ワンピース 57,200円(HUNDRED COLOR/03-6821-1727)

福田 萌(ふくだ・もえ)

1985年生まれ、岩手県出身。横浜国立大学在学中に芸能活動を開始し、2007年から「ラジかるッ」(日本テレビ系)出演。2012年にオリエンタルラジオ・中田敦彦と結婚。二児の母となる。2021年に家族でシンガポールに移住。

『「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』

2023年7月20日発売
発行 講談社
著者 福田 萌
定価 1,760円(税込)
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2023.07.22(土)
文=井口啓子
撮影=三宅史郎
スタイリスト=大瀧彩乃
ヘアメイク=田中裕子