桃を剥いてくれたから100ポイント!

――中田さんは「妻に合わせる気が全くない“ジェット機型走者”」ですが、程度の違いことあれ、そんな「変わろうとしない夫」に悩んでいる女性は多いと思います。福田さんはそんな夫にどう向き合っていったのでしょう?

 最初の頃はワンオペだったこともあって、夫が一般的な旦那さんと比べて、家のことをしてくれないって、できてないところを探して減点してたんです。でも、夫には他の旦那さんにはない素晴らしいところがいっぱいある。私はそこが好きで結婚したんだから、減点方式はやめようって。ゼロベースで、今日は犬の散歩してくれた、今日は子供たちスクールバスに送ってくれた、って。加点方式で考えるようになったら、すごく気が楽になった。こないだも桃を剥いてくれて。桃って美味しいけど切りにくいし、手がベタベタするのが面倒なので、それだけでもう100ポイント! って(笑)。

――本の中では、結果的に中田さんが変わっていく姿も描かれています。

 すごく変わりましたね。最近は高校の同窓会を主催したり、人と人の縁を大切にしたいと言って、一筆箋を持ち歩いて何かあると一筆書いたり。成長してるなと思います。

――無理に相手を変えようとせず、尊重したのがうまくいった秘訣でしょうか。

 家族ってそういうものですよね。他人同士が家にいるなーって思うところがあって、それは夫に対しても子供に対してもそう。100%その人にはなれないし、理解し合えない部分があってもいいかなって。

 夫もちょうど「いい夫やめます宣言」の頃は、芸人として自分のやりたいことが発揮できていない。やれたとしても結果が伴わないから継続したい――みたいな無力感を感じてたようなんですが、YouTuberに活動の場所を移してからは、やりたいことを自分の手で100%叶えて、世間にもニーズがあるという状態ができて……。やっぱり、自分らしい生き方を実現することで、周りとの関わり方が変わってくる部分もあるんだなと感じてます。世間からしたら、お騒がせだと思うんですけど(笑)。

2023.07.22(土)
文=井口啓子
撮影=三宅史郎
スタイリスト=大瀧彩乃
ヘアメイク=田中裕子