エラブオオコウモリが目撃された木には看板が立つ
![希少種を守るため、ネットで覆い、成長を見守っています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/e/1280wm/img_3ea573477049ef61109e0061a385a5ce167138.jpg)
健全な森は、希少な生き物にも居心地のいい住み処に。クビワオオコウモリの亜種の中でも数が少ないエラブオオコウモリも、こことトカラ列島の一部にしか生息していません。
フルーツが好物、特にガジュマルやアコウ、クワやイヌビワの実が大好きなエラブオオコウモリ。贅沢にも果汁だけを味わって、食べカスはペッと吐き出します。そのペリットという食べカスを見つけたら、前夜そこにエラブオオコウモリがいた証拠。夜行性の生物ゆえに、夜に出直すと、会えるかもしれません。
![エラブオオコウモリの観察案内看板。木の名前と出没するシーズンや時間帯が表示されています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/1280wm/img_4047ecf1a63b24b3513048b8b183d512191104.jpg)
ちなみに集落内にはエラブオオコウモリが見かけられた木に看板が立てられ目印になっています。小・中学校の校庭のヤシの並木も、日没後には遭遇できる可能性が高いそうです。
![屋久島町立金岳小・中学校のワシントンヤシの木も観察スポット。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/1280wm/img_744425dd7bb0f36ba763c985902b650e137837.jpg)
夜間、エラブオオコウモリを探しにいったら、夜空を見上げてみてください。私が訪れた春先には、全天で2番目に明るい恒星のカノープスが輝いていました。ちなみにこの星は中国では見ると長寿になるという、縁起のいい星だそうです。
2023.06.17(土)
文・撮影=古関千恵子