舞台上では遠くも見る!
もうひとつ、「なりきり」レッスンを受けて感じたのが、「視線」をマルチにする重要性です。
「遠近」&「四方八方」に視線を巡らすことで、顔のいろんな筋肉がこれまた勝手に使われるのを感じました(=表情筋の運動です!)。
私は普段パソコンや、取材する対象者一人だけを見ていることが多いのですが、すると視線は半径1メートル以下の一か所に固定されがちです。
一方、「なりきり」レッスンでは、舞台をイメージして踊ったので、意識は鏡の先にいるであろう架空の観客に向かいました。その結果、思っている以上に、「目が動くな」と気づいたのです。
視線を遠くまで送り、さらには、右にも左にも送り、時には先生の振りを見て、また時には隣の人の踊りを盗み見る……という細やかな視線の移動は、全てが目と表情筋のエクササイズになっていました。
目だけではありません。
自分の「存在」がそもそもお客さまありきだったので、立ち姿も「凛」としますし、動きも自然と優雅になる。お客さまを意識した瞬間、ただのお辞儀は「しゃんとした」お辞儀になり、顔の位置は正面を意識したものになり、だらけた姿勢は一掃されて華やかな姿勢になるのです。
さらに笑顔を実装するので、きらきらした存在に誰でもなることができるのです!
……以上をまとめると、「なりきり」レッスンでは、動作を優雅にしながら、多方面を意識することが「自然に」できるので、美容アップ効果につながりやすいのだと思いました。
もちろん、大前提として心の中に「宝塚への大きな憧れ」があるのも大事でしょう。
そう考えると、私たちの「ときめき」をごく自然に喚起してくれる宝塚って、やっぱり凄いなと思いました。
そして一度参加するだけで、自分のときめき心を自然に思い出させてくれる「なりきり」レッスンはとても秀逸だなあと、改めて強く感じたのでした。
みなさま、ときめいて暮らしていきましょう!
初嶺麿代(はつね・まよ)
元宝塚歌劇団男役。退団後は女優活動を続けながら2014年に宝塚のノウハウを活かしたダンス&フィットネススタジオHatsuNeを都内に開講。一般、キッズ・ジュニア、宝塚受験の3つのコースがあり、3歳~70代が多数。豊富なレッスンで日々女性の美と健康をプロデュースしている。また宝塚受験コースでは後進の育成に力を注ぎ、毎年多数の合格者を輩出。その他、様々な商品プロデュースを手掛けるなど、独自のメソッドや話題で、テレビ・雑誌などメディアでも多数取り上げられ注目を浴びている。著書に『タカラジェンヌの美の秘密、教えます 宝塚式「品格」レッスン』(文藝春秋)がある。
Instagram @hatsunemayo
ブログ https://ameblo.jp/mayo-hatsune/
タカラジェンヌの美の秘密、教えます 宝塚式「品格」レッスン
文藝春秋
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Column
にらさわあきこの日々是実践美容道
新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。
2023.05.21(日)
文・写真=にらさわあきこ
資料提供=初嶺麿代
撮影=鈴木七絵