先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。
四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。
そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。
今回は「すいか」。シャリシャリという食感も楽しい、夏の風物詩です。夏休みの思い出と結びついている、という方も多いのではないでしょうか? とびきりのすいかを使ったパフェは爽やかな味わい。夏を先取りしてみませんか。
江戸時代から愛されてきたすいか
南アフリカ原産の果物であるすいか。その歴史は古く、4,000年前のエジプトで栽培記録 が残っているそうです。
日本には1,600年ごろにはすいかの品種の記述が見られ、江戸時代にはすでに庶民の間で親しまれてきました。その人気は浮世絵にも描かれるほどです。
この時期、千疋屋総本店で販売されているのは熊本県産の「VSすいか」。VSとは「ビタソイル」(健康的な強い土壌)の頭文字の略称のこと。
その味わいは糖度が高く、驚くほど香り豊か。アミノ酸がたっぷり含まれ、シャリシャリの歯ごたえと柔らかな淡い色が特徴です。皮の近くまで甘いので最後までおいしさを堪能できます。
有機発酵肥料を使用し、自然環境を100%利用した農法で栽培。水を一滴も与えずに育てることで、すいかが本来持つ生命力が引き出されるそうです。力強く大地に根を張り巡らしたその果実には甘みと旨みがギッシリと凝縮されています。
良いすいかはどうやって見分けるのでしょうか? よく、コンコン叩くと聞きますが、実はあまり意味がないそうです。大切なのは中身が詰まっていること。ずっしりとした重みがあるすいかを選びましょう。
カットすいかの場合は種の周りをチェック。シワになっておらず、ピンとしているものを選ぶと食感が楽しめます。
国産のすいかは購入したら早めに食べるのが一番。保存するときは冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。ただし、冷やしすぎないのもポイント。ひんやりと感じるくらいが一番おいしい頃合いです。
みずみずしいVSすいかは手土産にもぴったり。ギフトとしてもおすすめです。
2023.05.01(月)
文=宇野なおみ
撮影=釜谷洋史