先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。

 四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。

 そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介する「季節のフルーツ便り」。

 今回は2024年4月1日に千疋屋総本店が190周年を迎えたことを記念した特別編! 日本橋に開店して以来、長年愛されてきた千疋屋総本店。190周年記念・日本橋本店フルーツパーラー限定メニューが登場しています! その中からレトロで華やかなスペシャルメニューを3種ご紹介します。

 今回はCREA WEB限定でスペシャルプレゼントもご用意しました。最後までどうぞお見逃しなく!


千疋屋総本店190周年の歩み

 千疋屋総本店が日本橋に創業したのは、天保5(1834)年。まだ江戸時代のことです。それから、明治、大正、昭和、平成、令和。計6つの時代を果物と共に歩んできました。

 もともとは“千疋村”の農産物を江戸に届けるところから始まった千疋屋の歴史。水菓子(果物)だけでなく、野菜も扱っていたようです。

 フルーツパーラーが出来たのは1929(昭和4)年のこと。明治元年から始まった、「果物食堂」を引き継ぐものでした。このころ登場したケーキや食事メニューは今も提供され、長く愛されています。

真っ白な美しさ! 30年の時を超えたバナナパフェ

 最初にご紹介するのは真っ白なビジュアルが美しい、「ザ・バナナパフェ」。懐かしい、見覚えがあるという方もいるかもしれません。こちらは、約30年前の人気メニューを再現したもの。なんと、今も千疋屋総本店で働いている従業員の方が当時のレシピを覚えていて、商品開発のさいには完全再現してくださったそうです!

 芳醇な香りと濃厚な甘みたっぷりのバナナが主役。相性抜群のホイップクリームとバナナアイス、バニラアイスが添えられています。下の段にはスポンジ。最下段には、千疋屋総本店の定番・牛乳に浸して食べるアメリカンショートケーキを彷彿とさせる牛乳とカットしたバナナのコンビネーションです。

 バナナはそのまま食べても、ホイップをたっぷりのせてもおいしい。バナナアイスもしっかりとバナナの風味が感じられますよ。子どもの頃に出たおやつのような、親しみやすさを感じるパフェ。シンプルだからこそ、素材のおいしさが引き立ちます。

2024.08.23(金)
文=宇野なおみ
写真=釜谷洋史