先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。
四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。
そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。
今回は南米原産の「パッションフルーツ」。酸味と甘味を併せ持つ、独特の香りが魅力の果物です。
実は野菜? 酸味と香りを楽しむパッションフルーツ
和名は花が時計の文字盤に似ていることから果物時計草といいます。実はつる性に成るので野菜にも分類できるのだとか!
ころんとしたフォルムの実を割ると、黒い種を包んだゼリー状の果肉が見えます。ハワイでの呼び方「リリコイ」といえばピンと来る方も多いのではないでしょうか。ビタミンや葉酸など豊富な栄養価を含み、近年では日光対策のグリーンカーテンとしても注目されています。
国内では主に、鹿児島や沖縄で栽培されています。最近でも新しい栽培法が発見されるなど、発展を続けているフルーツです。
日本に輸入された時期は諸説ありますが、江戸時代中期(1825年)発行の「梅園百花画譜」では花の姿が描かれているそうです。
パッションフルーツは皮の色が濃く、ツヤやハリがあるものを選ぶのがポイント。室温で追熟させ、なめらかな皮にシワが寄ってきたら食べごろです。販売されているものは完熟してはいるので、酸味を味わい方はすぐに食べてもOK。
少し冷やしたパッションフルーツ横半分に切り、果肉を種ごと食べます。縦に切ると果肉がこぼれてしまうので注意しましょう!
パッションフルーツは見た目と切ったときで印象が変わるフルーツ。果肉だけではなく、周りの白いふわふわした部分をかき混ぜるように一緒に食べると、口当たりがなめらかになります。ただし、皮は食べられません。
単品で食べてももちろん美味しいのですが、アイスクリームやヨーグルトに添えるなど、サポート役として活用すると大活躍するフルーツです。今回ご紹介するスイーツとパフェも、そんなパッションフルーツの「名脇役」ぶりが存分に楽しめますよ。
2023.07.11(火)
文=宇野なおみ
撮影=釜谷洋史