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東京を代表するラグジュアリーホテル「マンダリン オリエンタル 東京」。1階にある「ザ マンダリン オリエンタル グルメショップ」には、2023年3月に就任したエグゼクティブ・ペストリーシェフのファビアン・マルタン氏が考案したスイーツたちが新たに登場。エレガントでスイーツ好きをとりこにするセンスはそのままに、新しくラインナップされた10種類をご紹介しよう。
口の中で完成する味と香り、食感のバランス
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新作ケーキを前に、新たにエグゼクティブ・ペストリーシェフに就任したファビアン・マルタン氏はこう語る。
「いくつかのフレーバーを組み合わせても、それぞれの素材の味がクリアにわかるように、素材の味・香りを生かしています。なめらかさや、食感をプラスすることでバランスをとり、口の中で重なるマリアージュを楽しんでほしい」
「バニラをロースト?」「生姜とライムの組み合わせがハッとするほど爽やか!」「香ばしいピスタチオのまろやかさがたまらない」と、それぞれのケーキで素材が際立ち、味覚の発見が随所にある。
では、期間限定で順次店頭で発売される、目にも華やかな10種のスイーツたちをご紹介します。
◆DELICE PISTACHE(デリス ピスターシュ)

上質なピスタチオを、ビスキュイ、クリーム、プラリネにふんだんに使用したピスタチオ尽くしの贅沢ガトー。くちどけが極なめらかで香ばしいピスタチオクリームの合間に、フィヤンティーヌを加えたプラリネのサクサクとした食感が小気味よい。軽い塩味がアクセントになり、ピスタチオのナッティーな旨味を引き立ててくれる。
◆BANANE-GINGEMBRE(バナナジンジャー)
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生姜風味のバナナのコンフィとジンジャーチョコレートムースが重なり、艶やかなチョコレートグレーズをまとったガトー。「バナナ+生姜」のマリアージュが絶妙。生姜はフレッシュなものを使用して、余韻にもピリリとした香りと刺激を残すことで、バナナとチョコレートの甘さを、スッキリとした後味に仕上げている。
◆BLUEBERRIES & JASMIN TARTE(ブルーベリーとジャスミンのタルト)
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ジャスミンが香るクリームとブルーベリーマーマレードを忍ばせ、フレッシュなブルーベリーやエディブルフラワーを飾った愛らしいタルト。ブルーベリーが旬の季節限定となっている。カシスのピューレには、ほんのりジンジャーを効かせて爽やかさをプラス。ホワイトチョコレートでクルリと囲いスタイリッシュに。
◆LIME COCONUT(ライムココナッツ)
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ココナッツの実をイメージしたユニークなフォルムのプティガトー。トロピカルな香りいっぱいのパイナップルのコンフィがトップに飾られ、中心にはココナッツムースと、ジンジャーとライムの異なるフレーバーのクリームが隠れている。ジンジャーの軽やかな刺激と、ライムのキュンとするような酸っぱさが、味わいを引き締めて。
2023.07.03(月)
文=下井美奈子
撮影=釜谷洋史