先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。

 四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。

 そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。

 今回は、小さな実にたっぷりの甘さ。旬の時期がとても短い「さくらんぼ」です!


日本では明治時代から栽培、小さなさくらんぼの長い歴史

 さくらんぼは桜桃とも呼ばれる、バラ科サクラ属の果実です。その歴史は古く、ヨーロッパでは紀元前にはすでに栽培されていたと言います。 

 また、さくらんぼは中国の古典『五経』の1つ、『礼記』に登場していて、アジアにおいても少なく見積もって3,000年の歴史があるということになります。

 日本には1872~1875年(明治初期)に海外からもたらされました。もっとも、江戸時代にはすでに輸入されていたそうです。当時は気候が合わなかったのだとか……。

 豊富な果汁とルビーのような見た目でお馴染みの佐藤錦は、山形県の東根市にて、大正時代に誕生しました。千疋屋総本店でも佐藤錦は不動の人気です。

 また、「紅秀峰」という品種も取り扱っています。紅秀峰は「佐藤錦」と「天香錦」という品種を交配して昭和54年に誕生した、新しい品種。

 大きい粒と鮮やかな赤い色を持ち、可愛らしいハート形をしています。佐藤錦よりも2週間ほど遅い収穫で、酸味が少なく糖度が高いことが特徴です。

2023.05.28(日)
文=宇野なおみ
撮影=釜谷洋史